福岡市長選候補をめぐる自民党の体たらく [2010年3月3日09:52更新]

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数年前からベテラン県議会議員が地元住民に推され首長選挙に出馬し当選するパターンが続いている。大野城市の井本宗司市長は05年に初当選し現在2期目、最近では八女市の三田村統之市長(初当選08年)、福津市の小山達生市長(同09年)の例がある。



さらには来年の統一選挙を前に、森田俊介県議が朝倉市長選挙、高橋義治県議が嘉麻市長選挙、井上幸春県議員がみやこ町長選挙へ、それぞれ出馬が取沙汰されすでに正式に立候補を表明した候補者もいる。

中には昨年、行橋市長選挙へ立候補を準備しながら、周囲の状況から出馬を取り止めた岡田博利県議の例もあり、噂が先行するのが政治の世界だけに怖い。

 

福岡市はご承知の通り、今年11月に市長選挙を控えている。現職の吉田宏市長は正式表明はしていないが、再選への意欲は十分持っているとされている。ところが対抗馬となるであろう保守系候補者は、自薦他薦の噂は聞くものの正式な表明をした候補者はまだいない状況だ。

これまで噂に上ったのは衆議院の落選組、あるいは市議会議員の議長経験者、比較的活発に活動している元市幹部の女性などである。野党である自民市議団は自前で候補者を擁立する意向を公言しているが、いまだに候補者を絞り込めず、時間だけが経過していると言っても過言ではない。

最近よく耳にするのが、城南区選出で現在7期目のベテラン、武藤英治県議の名前である。長きに渡る議員実績を持ちながら、地味な存在の県議会議員だけに、マスコミに騒がれるスキャンダルもなく、地元での評判も決して悪くはない。そのため白羽の矢が立ったのではなかろうか。

 

自民の一部市議の中には、過去の例から、現職に相乗りするというような安易な考えを持った者もいるのが現実。候補選定をめぐる迷走ぶりもこうした体質を象徴するものとみてまちがいなさそうで、早くも現職再選の声が聞かれている。