バブル期の負の遺産 [2010年3月31日15:00更新]

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政治と金の問題が噴出するなど、支持率が低下の一途をたどっている民主党政権。その一方でマニフェストの実行、特にむだな事業の仕分け作業には国民もいまだ期待しているのも事実だろう。夏の参議院選挙を控えているだけに、鳩山政権も後には引けまい。



今月閉館となる「私のしごと館」の処分をめぐって、今後大きな問題になるのは必定である。確か総工費は約600億円と記憶しているが、誰がこのような大きな建物を計画したのだろうか。

以前、日本郵政の不動産処分が社会問題になった。かんぽの宿などを安い価格で売却した結果、購入した企業の大半は転売しており、中には転がされた物件も多数ある。損をしたのは国民なのは間違いないが、結局誰が儲かったのだろう。

 

バブルに浮かれて建設したものの、今となってはお荷物となっている施設の例は、地方にもたくさんある。

例えば宮崎のシーガイア。国際会議場を建設すれば建設費が膨らむのは当然だが、交通アクセスの悪い宮崎で国際会議などが一体何回開催されたとうのか。誰の発案で計画が進められたのか、いまだに疑問を持っている。

鳥栖のサッカー場にしてもしかり。当時は建設することに意義を見い出し、不動産屋やゼネコンが主導権を握り、「建物を完成させ資金を回収すれば、運営が赤字になっても自分たちに責任はない」と言い放ったゼネコンの営業マンを思い出した。かつてはゼネコンの営業マンが「鳥栖詣で」をしていたが、今は予算がないから誰も寄り付きもしない。

計画にコンサルは付きもので、机上の空論で勝手に数字を羅列し、その数字を基礎に運営計画を立案すれば、赤字経営になるのは素人でも理解できる。

とにかく、このままでは赤字を垂れ流すだけの箱物の、再利用の道はないものだろうか。更地にするにも解体費がかさむ以上、若者に利用方法を広く公募するのも一つの案とではないかと思うのだが。