16年ぶりの豊前市長選挙

福岡県の東南端に位置する豊前市では、任期満了に伴う市長選挙(4月4日告示、11日投開票)が予定されており、現在までに現職の後藤元秀市長(70)と、新人で前議長の磯永優二市議(65)が名乗りを上げている。

後藤氏は地元新聞社を退職後、昭和62年に福岡市早良区で県議会議員選挙に挑戦するも藤田一枝氏に敗れ、豊前市に居を移し平成3年の県議選で初当選を果たし、6期22年務めた。
同25年に無投票で市長に初当選し現在2期目、これまで7回無投票当選で 30年ぶり2回目の選挙というから驚きだ。

一方の磯永氏は市議3期目の同17年に市長選に挑戦し、前市長の釜井健介氏に敗れた過去があるが、同市においてはその時以来、16年ぶりの市長選挙となる。

同市の昨年12月末時点の住民基本台帳人口は2万4935人、20年後には約2万人まで減少すると推計され、高齢化率は既に36%を超え少子高齢化の課題に直面している。

将来ビジョンや行政経営の方針など争点になるべき点は多いが、無風時代が続いた狭い街、市民は表立って動きを取りにくい状況の中、後藤氏が現職の強みを活かし支持者の囲い込みを図る一方、磯永氏は商工会議所やJAなど各種団体に支持拡大を呼びかけているところだ。
注目すべきは、市職員労働組合が圧倒的多数で磯永氏支持を議決したことで、その裏には後藤氏の行き当たりばったりの市政運営やパワハラ発言等に対する職員の反発があった様だ。

また、後藤氏には麻生太郎副総理が、磯永氏には武田良太総務大臣が後ろ盾になっていると言われており、これまで京築地区で繰り返されてきた代理戦争の側面もあるという。
両陣営にとって負けられない戦い、街を二分する選挙戦は既に始まっている。

コロナ対策の選挙利用?豊前市

昨年7月の東京都知事選では、現職小池百合子氏が大差で再選したが、コロナ対策で財政調整基金9000億円近くを使い果たし、選挙活動に利用したと批判されたことは記憶に新しい。

ところで、豊前市は新型コロナウイルス対策として、0~18歳の子ども 約3800人を対象に、市内で使える商品券を1人当たり1万円分支給することを発表、16日に開会した市議会定例会に予算提案した。

財源は新型コロナウイルス対策を盛り込んだ今年度第3次補正予算の交付金だが、執行は令和3年度に繰り越しても良いことになっている。
コロナ対策ということで批判しにくいが、4月に任期満了に伴う豊前市長選を控え、現職の後藤元秀市長は3期目の挑戦を表明しており、このタイミングに「選挙前のバラマキでは」と疑問の声が出ている。