ある銀行の内情と「エリート天下り頭取」 [2008年8月5日08:52更新]

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(08年7月号掲載)

株主総会が終わり新しい経営陣が発足した地元A銀行は、官僚出身者が頭取に就任しているが、最近は頭取の母校OBで役員を固め、学閥を形成する有様に行内からも批判が出始めている。

庶民の金融手段であった無尽会社が大きくなり相互銀行として発足。他行よりも一足早く地銀に昇格し、再編による吸収合併で九州トップの預金量を誇った時期もある。



ところが急速な拡大路線に多くの行員がついて行けず「天下りエリート頭取」との格差は大きくなるだけで、今や経営陣はイエスマンの集団と化している。

一方、地元の地銀トップが巻き返しを図ったために、今やA銀行は後塵を拝してその差は開くばかり。役員との意識レベルの違いに気付かず、頭取は「裸の王様」として独り相撲をとり、部下は後ろを向いて舌を出し手を叩いているのが現状だ。

福岡の企業は数年前まで、地元に本店がある銀行同士の競争意識を最大限に利用し、比較的楽な資金繰りを行っていた。その中でもA銀行は頭取が就任した当時から、同行OBが介在した融資に偏ったために現在その処理に追われ、担当者から不平不満の声が漏れる始末である。

A銀行から役員が派遣されている企業の中には、OB役員が連帯保証に名を連ねた挙句、億単位の不良債権が発生している例もあり、経営陣は素知らぬ顔をして部下に処理を任せている。

法的手続きを取る前に所有不動産の売却を目論んでいるとの噂がある上に、私腹を肥やした役員は私財の隠匿に涙ぐましい努力をしているというから面白い。

(J)