揺れるみやまスマートエネルギー・4 [2020年6月11日17:02更新]

新しくみやまスマートエネルギー(みやまSE)の代表取締役に就任した横尾健一氏(64)は市職員OBである。
記者会見では、「現在の個人契約件数633件(3月末)を、2~3年のうちに倍増させたい」と意気込みを語った。

契約件数が急激に減ることはないと思われるが、毎年のように法改正があり、大手新電力との競争が激化する中で、新代表の思惑通りに営業展開が図れるかは疑問である。
顧客が100件減れば みやまSEは赤字に転落するという試算もあり、仮にそうなると第三セクターという性格上、継続は困難になって全国で注目された自治体電力は失敗に終わる。

全国展開を止め「みやま」だけを考えていく、という新市長の理想はともかくも、電力のプロではない経営陣に長期的な経営が成り立つのかという視点も必要だろう。
失敗すれば、方針転換を決めた責任も問われることになるが、松嶋市長はそういった覚悟はお持ちだろうか。

ところで、市は6月5日、みやまSEの是正点について取締役会で協議した内容を公表、報告書で指摘されていた利益相反取引については、内容を精査し全て追認を行っており問題はないとし、また、退任した取締役社長の磯部氏についてもお咎めは無しであった。
告発状を提出している末吉市議は納得がいかないようで、6月議会の一般質問で追及することにしている。
現在の市の立場からすると、磯部氏に特別背任はなかったということになるが、議会答弁次第では告発状の受理に繋がる可能性もあり、松嶋市長の発言に注目したい。

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