利権まみれのバイパス建設を推進? [2023年4月17日09:47更新]

広川町の町長選挙が明日18日に告示される。
4期務めた渡邉元喜町長が引退を表明する中、町議会議員の竹下英治氏(64)と町職員の氷室健太郎氏(44)が出馬の意向を示しており一騎打ちとなりそうだ。

2回目の挑戦となる竹下氏、前回は航空自衛隊を退職し生まれ故郷に広川町に帰り立候補、渡邉町長を追い詰めたが届かなかった。
退職時の「空将補」という役職は空将に次ぐもので、一般隊員から見たら雲の上の存在という。
2019年12月の町議選に出馬しトップ当選、国家公務員としての経験を活かしながら地方自治を勉強し、様々な提案・提言を行ってきた。



氷室氏は八女市生まれ、企画課地方創生担当係長などを務めまちづくりに関わり、プライベートでも国際交流や消防団、PTA活動にも従事してきた。
渡邉町長の引退に伴い後継指名を受けた形だ。



二人の政策に大きな違いはないが、氷室氏が 「国道3号広川~立花バイパスの早期実現」と敢えて公約を掲げている点が気になる。
バイパス実現は渡邉町長の悲願だっただけに 外せなかったと思われるが、果たして本心だろうか。

弊社は3号線バイパスについて「税金の無駄遣い」「利権まみれの出来レース」と報じてきた。
繰り返すが、まだ 表ではバイパスの話が全く出ていなかった2019年1月、渡邉町長は選挙前の集会で、「上広川小学校にバイパスを当てて、国の予算で建て替える」と説明していた(録音あり)。

同年5月に国交省が渋滞対策の協議を正式に開始、11月にバイパス山側ルート帯、バイパス最短ルート帯、現道拡幅3つの案が示され、2020年5月に山側ルート帯で決定、6月には上広川小に見事にルートが当たるという奇跡が起こった。
「渡邉町長が国民・県民の税金を詐取したことに 行政が手を貸した」と語る関係者もいるが、そう言われても仕方がないだろう。

引退してもなお権勢をふるう老人の指示に逆らえず、出来レースのシナリオを書かされた国や県の役人には同情を禁じ得ない。
しかし、地元では県道82号(久留米立花線)が未だ整備中で、並行して走るバイパスは必要ないという声が多い中、最低でも300億円、地元国会議員は600億円と建設業界に吹聴して回っており税金の無駄遣いそのものだ。


優秀な氷室氏が既にドロドロした政界に巻き込まれて気の毒でならないが、バイパスについて もう少し慎重に発言してほしかった。

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2019年1月 渡邉町長の肉声