伊万里珈琲館

先日、日頃お世話になっている方に請われ、ドライバーとして久々に伊万里市へと車を走らせた。
福岡都市高速道路から西九州道をへて202号線に入るとそこは既に伊万里市。
福岡市からわずか一時間少々で行けてしまうのだから便利になったものだとつくづく思う。
用事の前にどこかで休憩をしようという話になり、同行の方が以前立ち寄ったことがある喫茶店に行くこととなった。
向かった先は202号線、伊万里市役所入口交差点の近くにある、レトロなたたずまいの3階建て洋館、「伊万里珈琲館」。
川をはさんで隣接しているゴシック調の結婚式場とあいまって、この界隈だけ周りの風景から切り取られたような不思議な気分になる。
駐車場は店のそばだが、橋の手前を道路から河川敷へスロープで降りるように川沿いに作られている。道路からの落差はちょうど地階1層分くらいあって、店も同じレベル(地盤面)から建っているので都合4階建ての洋館だ。

スタッコ塗りの壁に赤レンガ、そしてスパニッシュ風の洋瓦と石畳のポーチ。外観からただようクラシカルな雰囲気に思わず顔がほころびる。

少し重い扉を開けて店内に入ると、外装と同じく経年変化した内装や調度品の心地よい空間が現れる。天井付近を走って壁を抜ける暖炉の排煙用パイプには長年の使用感があり、決してお飾りではないリアルさが感じられた。ただし、現在は使用していないらしい。

カウンターでコーヒーを味わいながら経営者の女性も交えて談笑していると、この店の2階がライブハウスになっているとのこと。それならばと、無理を言って2階を見せて頂いたのだが、ドラムセットや各種のアンプ機器、そしてミキシング装置など、充実した設備と席数には驚かされた。

月に1回、地元伊万里の譲原(ゆずりはら)真一さんという方が主催してライブを開いているとのこと。この譲原さん、作業療法士にしてグループホーム「野に咲く花」を運営する、「㈱大空に大輪」の代表、そしてシンガーソングライターなのだという。障害をもつホームの入居者を交えて開催されるライブはとても興味深いものだ。

東日本大震災の際には、被災者支援のためのCDを「ゆず凜」名義で制作。この店では現在も販売中とのこと。

譲原さんがこの店でライブを開くようになった経緯など、また改めてくわしくお話を聞かせていただきたいと思う。

ブレンドコーヒー300円から。スイーツや軽食も充実しており、リーズナブル。カフェやバルもいいが、今や稀少ともいえる純喫茶を心ゆくまで堪能できる店、それが「伊万里珈琲館」だろう。
有田や佐世保、平戸など、佐賀・長崎方面に行かれる際はぜひ立寄られることをオススメする。

●伊万里珈琲館
 佐賀県伊万里市新天町87
tel:0955-23-0252
【エスアールエスタッケイ代表 住吉 英智】 

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