保険金不正請求に始まり、様々な不正を繰り返していた「ビッグモーター」は、5月1日に「伊藤忠商事」、子会社の「伊藤忠エネクス」、そして企業再生ファンド「ジェイ・ウィル・パートナーズ」の3社が共同出資した「WECARS」に主要事業を引き継ぐ事を発表、出資額は約600億円とされる。
新会社の代表には、伊藤忠商事の元執行役員である田中慎二郎氏が就任、ビッグモーターの兼重宏行前社長ら創業一族は完全に経営から離れることとなった。
また、今回の騒動で1000人減少した残り約4000人の従業員の雇用は継続、営業を続けている約250店舗は新たなブランド「WECARS」で再出発を図るが、どこまで売上回復が出来るかは判断が分かれるところ。
今後は伊藤忠ブランドになったことでコンプラ重視は当然であるが、逆に大手同業他社との差別化が非常に難しい。
これまでは兼重一族のやりたい放題のワンマン経営、ちょっとしたミスでの降格や洗車・草むしりなど、上層部からの重圧で店舗上司による部下への凄まじいパワハラなどの懲罰行為は日常茶飯事であったが、一方で無茶苦茶な営業手法であっても売上さえ上げれば年間で約4000万円~5000万円の高額収入も可能であった。
かなりのアメとムチを振りかざした経営手法で業界日本一になっていたのも事実、既にトップセールスマンは退社していることが想定される。
今後は同業他社と横並びの営業手法で、どこまで中古自動車販売に「伊藤忠ブランド」が通用するかが問われることになり、稼げない従業員らには、今まで以上に難しい営業が求められ厳しい船出が予想される。
しかし、自動車を買う側としては、「安心・安全」が絶対必須であり、「WECARS」に関しては法令順守をとことん守ってほしい。
続きを読む