梅雨が明け、子どもたちは夏休みに入った。
夏休みといえば夏休みの宿題の代表格である自由研究のテーマ決めに子や孫とともに頭を悩ませる日も近い。
動植物観察や昆虫採集などの自由研究に不可欠とも言える図鑑であるが、近年では手軽にスマホを通してインターネットの情報に頼ることが多くなっていないだろうか?
ネットの情報は書き手の名前が見えず、不正確な情報も多い。
やはり研究であるからちゃんとした文献で調べることを教えたいものである。
小学館の図鑑にはNEO POCKET(ネオぽけっと)というシリーズがある。
新書ほどのサイズに豊富な情報が詰め込まれており、子どもでも持ち歩きやすい。
そのシリーズの17巻「プランクトン」が先日発売された。
水辺ならいたるところで採集できるプランクトンは身近な存在であるが、本格的な図艦はこれまであまりなかったそうだ。
本書はさまざまな分野の研究室に散在しているプランクトン研究者たちを結びつけることから取り組みを始め、約60名の研究者の協力によって作られた。
またプランクトンの写真についても既存の資料写真で済まさずに、ゼロから写真家の協力を得て収集した結果、美しく精彩な写真で構成できるようになったという。
多くの専門研究者によって書かれているだけあり、児童向けではあるが、大人が読んでも思わず唸る情報量である。
プランクトンといえばミジンコやミドリムシなどが思い浮かぶが、フグやスズキ、カレイなどの魚類の幼生がプランクトンであることから、脊椎動物に関する情報も網羅している。
また、「殺人アメーバ」などとして近年話題になっているネグレリア・フォーレリなどの危険なプランクトンについても紙面を割いており、知的好奇心が刺激される。
プランクトンの採集方法や顕微鏡の使い方、写真の撮り方なども写真入りで解説してあり、親子で楽しめる一冊となっている。
小学館「小学館の図鑑NEO POCKET プランクトン」定価1,000円+税
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