霞が関出身者に逆風・県知事選

4月11日投開票が決まった福岡県知事選挙に、国土交通省の元局長の名前が浮上してきた。
経歴には申し分のない人物だが、霞が関出身者に逆風が吹いているのも事実だ。

小川知事の辞任発表前までは、ポスト小川の候補として、総務省の現職官僚や同省出身で他府県の副知事の名前が出ていたが、今回の菅総理の長男接待疑惑で槍玉に上がり、選択肢から完全に外れてしまった。

総務省への信頼が地に落ちたところに、農林水産省でも次官らが利害関係者から接待を受けたことが判り処分が決まった。
更には、国土交通省九州運輸局の幹部が利害関係者から接待を受けたとして、2月12日付で懲戒処分を受けたことも判明、県民の間に 霞が関全体が信頼できないという空気が出てきている。
九州運輸局HP 職員の処分について

このタイミングでは、霞が関出身の肩書は「マイナス」のイメージが強く、受け入れられにくいのではなかろうか。

週刊誌と野党の連携プレー

「記憶にございません」は、ロッキード事件の国会証人喚問において 小佐野賢治氏が繰り返した答弁であるが、以降、国会の質疑では 議員も官僚も頻繁に使っていいようになった。
菅首相長男接待問題においても、逃げ切れる自信があっただろうが、録音データが出てきたことで「記憶にございません」は 通用しなかった。

今回のケースでは、週刊誌側が野党の先生に 第2弾の録音データのネタを、予め提供していたことは間違いない。
第1弾が出た後、野党議員が事実関係について総務省幹部に対し、何度も同じ質問を繰り返し、「記憶にない」を連発する答弁を引き出し印象付けた。
その上で週刊誌が第2弾で録音データを公開、最後は野党議員が国会で追い詰めるという連係プレーだった。

「記憶にございません」は偽証にはならないが、テレビを見ている国民には虚偽答弁としか映らず、結果的に醜態を晒してしまうことになった。
国会議員の先生や役所の幹部の皆様におかれては、週刊誌がスクープ記事を出した時は、第2弾、第3弾までネタを持っていると覚悟した方がいいだろう。