参院選の結果を経て

7月20日投開票の参議院選挙は、自民・公明の与党が大敗、立憲も横ばいの中で、参政と国民民主が急伸した。

これで、石破政権においては、昨年秋からの衆院選、都議選、参院選と大型選挙は3連敗となり、石破総理は続投の意思を示すも、早くも党内からは退陣論が噴出、今後の政局を含め自民は極めて厳しい状況下にある。

それにしても、最後の1週間においては、各メディアや解説者、コメンテーター、ユーチューブが更に参政党を取り上げたことで、存在さえ知らない地方の有権者を始め、一般の学生や主婦、これまで選挙に行かなかった層にも一気に浸透し大躍進に繋がったのではないだろうか。

福岡選挙区では、従来の自民・立憲・公明で固まっていた構図に、今回は参政党が2番手に躍進する驚きの結果となった。

トップ当選を果たした自民参議院幹事長の松山政司氏は、今回41.9万票、2番手の参政・中田優子氏が38万票、3番手で公明・下野六太氏が32万票で当選した。

もちろん投票率が55.66%と大きく伸びた影響もあるが、次点の国民・川元健一氏と立憲・野田国義氏も30万票を超えており、約2万票の差で落選となっている。
国民民主の玉木代表も、103万円問題などSNSを中心に発信するも、やはり自身の不倫や山尾問題が無ければ、川元氏が届いていた可能性もある。

また、立憲・野田国義氏は危機感を持ってスタートダッシュを果たし序盤はリードしていたが、この選挙期間中においては野田代表の発信力は国民や参政と比較すれば非常に弱く、残り1週間で埋没させられた感は拭えない。

現時点で石破総理は続投を表明しているが、それも8月に入れば難しくなるのは必至、早ければお盆前にも何らかの動きが出る可能性もある。

新たに誰が総理総裁になるか判らないが、仮に秋頃の衆院選ともなれば再び自民党の代議士たちには、今回同様かなり厳しい結果になる可能性も否定できない。

参政と国民を中心に、1週間でひっくり返す力を持つSNS選挙、炎上はするも話題になることで浮動票を掘り起こし票に繋げる戦略は、今後の選挙のやり方そのものを変えてしまう可能性もある。

自民党の1強時代は遥か昔に終わり連立政権となって25年、2大政党論を唱えた時期もあったが、今後は自民党も他党の中に埋没し、ドイツやフランスの様に選挙ごとに連立を組み替える時代が直ぐ近くまで来ている気がしてならない、今回の参院選だった。



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