10月27日に衆議院の総選挙が終わったと思ったら、福岡市に隣接する粕屋郡篠栗町の町長選挙が、11月12日(火曜日)に告示、17日(日曜日)が投開票日となっており、同町では早くも再び選挙の準備が進められている。
篠栗町と言えば四国霊場を模した、篠栗八十八か所の巡礼コースが現存している町で、町内各所に寺や札所があり、多くの御参りする人々を見掛ける。
そんな長閑な町も工業団地が整備され、九州自動車道の福岡インターも近いところから、最近は流通関係者や福岡市のベッドタウンとして転入が多少はあるものの人口減少は続いている。
現職の三浦正町長は、50歳で福岡銀行を退職し町長選挙に出馬して見事初戦を飾り、以後5期20年に亘り大きなトラブルもなく県町村会の副会長を務め、今回は古希を迎えて6期目の出馬になっている。
一方の新人、冨永芳行氏は41歳、元県議会議員で県土整備委員会に所属していただけに篠栗町が今後進むべき道も若者としてアイデアや知恵を持っており、元篠栗町長を務めた横山久義氏の娘婿。
多選という声以外、現時点で現職について何ら問題はないものの、役場内の空気は20年の年月で澱んだ感もあり、若者や子育て世代、高齢者まで幅広い層で新旧交代を望む声も聞かれる。
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篠栗町長選挙
粕屋、志免、新宮と須恵、篠栗、宇美~そして久山
福岡地区在住の方々以外はわからないかもしれないが、粕屋郡というのは、玄界灘に面する新宮町から、内陸に向って南北に、久山町、粕屋町、篠栗町、志免町、須恵町、宇美町の順番で並んでいる。
これらの町は戦前、粕屋炭田の採掘で栄えたもので、石炭を内陸から西戸崎港に運んでいた、現在のJR香椎線が町々を貫いている。
「石炭から石油へ」という、戦後のエネルギー政策の転換で炭鉱の閉山が相次いだ結果、それぞれの町は地理的な位置関係で人口が増えている町と減っている町に分かれ、今後も変わりは無いようだ。
ある証券会社の資料によれば、今後20年にわたり人口が増えていくのは粕屋町、志免町、新宮町の3町だが、このうち新宮町は20年後には減少に転じるとの予想。
また久山町はほぼ現状維持の様子ながら、須恵町、篠栗町、宇美町の3町は減少の一途をたどると予想されている。
つまり、福岡市に境を接している、3町は人口が増え、内陸にあり、福岡市に隣接していない3町は逆に減っているということだ。
ちなみに久山町は福岡に接しているが、町の政策で人口流入を制限しているため、現状維持を予想している模様。
平成27年6月1日現在から平成52年まで、どのくらい人口が増減するかというと、
粕屋町は、4万4518人 →→ 5万4518人
志免町は、4万5313人 →→ 4万9450人
須恵町は、2万7227人 →→ 2万4501人、
篠栗町は、3万1083人 →→ 2万9157人、
宇美町は、3万8142人 →→ 3万2057人
と推計している。
続く
九大篠栗農場跡地~食品企業進出決定
人口増加とともに市街地が拡大している福岡都市圏の中で、最も伸びしろがあるのは粕屋郡だろう。
かつて粕屋郡は、粕屋町や篠栗町、久山町、須恵町、志免町、宇美町が1つのまとまったエリアだと認識され、旧古賀町・現古賀市や新宮町とは異なると考えられており、片や表粕屋、一方は裏粕屋と呼ばれていた時期もあったようだ。
むろん、今ではこうした呼び方は使われてないが、石炭産業華やかりし頃の名残かもしれない。
この1市7町の中で、新宮町は人口増加率が、また粕屋町は出産率で全国トップを誇り、注目度は上がっているが、残りの町はいささか話題に乏しいようだ。
そうした中で、篠栗町から面白い話が流れてきた。
篠栗町は中央部を東西に貫くJR福北豊線(旧篠栗線)の若杉山側、つまり南側の旧国道201号線沿いに町並みが形成されてきたが、北側は片道2車線のバイパスが走っているにもかかわらず、田畑がそのまま残っている。
篠栗町とその北側に位置する久山町の間にある、九州大学篠栗農場(果樹園5ha、放牧場14ha)は、同大の西区への移転後、一部が篠栗町に払い下げられたようで、その農場跡地に食品関連企業4社の誘致が決まったようなのだ。
九州自動車道福岡インターにほど近く、鉄道を含む交通インフラが整っている篠栗町はこれからが期待できるようだ。
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