(08年10月号掲載) 大手マスコミでは取り上げにくい内容でも、本紙では小回りをきかせて対応し、紙面やホームページの「福博噂話」「J氏の独り言」などで紹介。読者から「参考になった」「助かった」と喜ばれる例もある。 営業拠点を福岡に置き、マンション管理業務を主体に急成長した「丸美」(中央区)。本紙では早い時点からリゾート会員権の販売を疑問視し、会社の業務内容について報じていたが、8月に破綻したことからマスコミでも取り上げられるようになった。 管理組合とは別に個人オーナーとの委託契約があり、計7314人から敷金や家賃など8億5180万円の現金を流用していたことが明らかになったが、被害者は現時点で泣き寝入りの状態になっている。 すでに被害者の会も結成されてはいるが、巨額の現金が消えた今となっては、どこまで回収できるか疑問の声も聞かれるのが現実である。 ビジネスであれば通常は双方が合意の上で商取引を行う。その結果、損害を被ったことで「だました」「だまされた」と裁判に発展するケースは確かにある。だがそれとは別に、商取引を装った「詐欺行為」もあり、通常のビジネスとの違いを見極めるのは難しいからやっかいである。 以前から何度か取り上げてきた「中小企業倒産防止開発機構」(福岡市)。博多区のビルに本社を設け、貸金庫室など凝った大道具も準備。カモを誘い込むDMのパンフレット類は言うに及ばず、素晴らしいセッティングに訪れた人は一様に驚く。さらに、今時これほど女子社員の教育を行っている会社も珍しく、素晴らしい接客に大半の訪問客が度肝を抜かれている。 同社の最終目的は約束手形をだまし取ることであり、すでに山口を含む九州一円で被害者が相次いでいる。しかし被害にあった企業が当局に相談しても話を聞くだけ。被害届は受け付けるが立件は難しいと判断しているようで、いまだ本格捜査に着手したとの情報は聞かれない。 包括的コンサルタント契約に始まり、同社が行う約束手形振り出しに関する契約など水も漏らさぬ用意周到さで、その仕事ぶりは完璧といっていい。裏には金目当ての悪徳弁護士か、会を除名された弁護士崩れが控えているのは、書類を見れば一目瞭然。これほど法律を熟知した上で悪用している例も珍しい。 同機構に対し、一部の弁護士が「非弁活動だ」と抗議したとの情報も聞くが、強制力があるわけではないから問題にもされていない。約束手形のパクリという犯罪行為が「ビジネス」として堂々とまかり通り、当局も手が出せない状況が続いているわけである。 本紙記事を読んで契約を直前で思いとどまったという例もあるものの、同じ手口でだまされる人は後を絶たない。正義感あふれる弁護士を中心に、近く被害者の会が設立されるとの情報もあるが、刑事告訴したとしても、最終的に司法当局がどのような判断を下すのかは定かでない。 本紙の立場としては、事前の情報収集を怠らずうまい話には安易に乗らないように─と呼び掛けるほかに手がないのが悔しい。 (J)
ビジネスと詐欺行為 紙一重の間 [2008年10月28日08:51更新]
タグで検索→ |

