かつて福岡市及び周辺市町村には、Hグレードの資格を持つ工場や、下請け専門の鉄工所が数多く見受けられた。だが土地の高騰や周辺住民との騒音問題で多くが廃業に追い込まれ、今では数えるほどしか残っていない。鉄工所に材料を供給する鋼材販売の会社も、得意先の減少から廃業や転業を迫られ、組合の存続すら危ぶまれる状況だ。 そんな中、勝ち組として売り上げを伸ばしている会社に「小野建」(大分市)がある。 現代表が事業を継承してからは、持ち前の商才を発揮して業容の拡大を図り、東証一部に株式を公開。豊富な資産を背景に積極策に打って出たことが功を奏し、ここ数年間で年商1500億円を超える、素晴らしい建材商社に成長した。 特に中国・北京におけるオリンピックで、競技場及び付属施設の建設のために需要が伸び、鋼材価格はウナギ上りの状態となった。得意先である鉄工所の資金繰りは一挙に悪化した。当初は何らかの支援を行っていたが、商魂逞しい現代表は新しいビジネス方式を構築しゼネコンからの鉄鋼工事を受注して得意先であった鉄工所に加工を発注、売り上げを急速に伸ばしてゼネコンからの信頼も得た。 過去の増収増益をバックに、大型ストックヤードの整備に着手し、豊富な資金を鋼材購入に投入。鋼材の相場が上がる度に利益は溢れ、数カ月前までは笑いが止まらぬ経営状態であった。 ところが「好事魔多し」、市民生活を直撃した原油価格の高騰に加え、今回の米国を震源地とする金融恐慌が一気に世界を席巻した。経済の冷え込みは予想以上に早く原油価格もアッと言う間に下落、同様にスクラップや鋼材の価格も瞬時に下がるという事態となった。 あまりにも多い鋼材の購入が業界の話題になるほどで、どの様な策を講じ乗り越えるのか、代表の経営手腕に注目が集まっている 。 (J)
鋼材価格下落で注目を集める「小野建」 [2008年11月7日11:23更新]
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