福田康夫・前総理が自前で組閣した新内閣でめでたく農水大臣に就任した太田誠一氏。当初から「総理の縁故大臣」と呼ばれ、その失言癖などから「任期を無事まっとうできればいいが」と本紙で書いた。だが就任早々、その失言をマスコミに噛み付かれ、さらには事務所費疑惑が浮上、野党の攻撃対象となっていた。 福田総理の突然の辞任表明の後、今度は日本食糧の根幹とも言うべき主食の米について、汚染された事故米が不正に流通していたことが発覚。農水省のズサンな検査が問われる破目となり、監督責任から次官が辞任に追い込まれた。太田農相も「あまりじたばた騒いでいない」という発言するなどして批判の的となり、その去就をマスコミから連日報じられ、ついに19日、残り数日の任期を残して自ら辞任した。 衆院選における太田氏のライバルは民主党の女性候補・藤田一枝氏で、現在まで太田氏の2勝1敗となっている。前回の総選挙は大量の人員を投入した凄まじい闘いだったが、今回は互いの陣営に少し地殻変動が起こっている。 太田氏側の度重なる問題発生で、地方議員は呆れて負け戦のムードが漂い、系列議員の士気は大幅に低下。形勢不利とみられる太田陣営だけに、かなり際どい手段を講じることが予測され、早くも当局が選挙違反の摘発へ向け内偵に着手している模様だ。選対本部長に誰が座るのかまだわからないが、引き受けるからには相当の覚悟が求められるだろう。 選挙は戦争と同じで、運動員である兵隊の数が多いから勝つとは限らない。スパイによる情報で撹乱されることもあるし、責任者の指示が悪いおかげで運動員は動かず、資金だけが湯水のように使われ負けた例もある。選挙に負ければこれほど惨めなものはなく、「サルは木から落ちてもサルだが、先生が落ちればただの人」と、揶揄されてきた。 自民党総裁選では県選出の麻生太郎氏が勝利を収め、早くも総選挙の日程が取りざたされている。だが太田氏を例に挙げるまでもなく、自民に対する国民の目は依然厳しい。総選挙で民主党主導の野党が勝利し勢力が逆転すれば、麻生内閣は過去に例のない「短命内閣」ということになる。 (J)
危惧した通りの農相辞任 太田誠一氏 [2008年9月25日10:27更新]
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