不動産・マンション業界の現状と未来 [2008年9月24日08:56更新]

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(08年9月号掲載)

元気都市を自認する福岡市には若者が集まり、彼らの住居となるワンルームマンションが周辺住民の反対を押し切って建設されている。そんな中、「丸美」(福岡市)の破綻で露見したように、その管理のあり方に問題が生じている。



ワンルームマンション1棟をオーナーが購入して管理すれば別だが、1室を個人が購入すると販売会社任せになる。管理組合が設立されても機能してないケースが多く、今回の丸美のように積立金の流用などが生じても、すべてオーナーの自己責任になっている。

最近はワンルームが増えすぎて入居率が非常に悪くなっている。そのためか、不動産屋が仲介の手数料を値引きした分を、名目を変えてオーナーに請求する例も増え、両者間でトラブルが発生しているようだ。

 

一方、デベロッパーも、高騰した土地代や建築費を価格に転嫁できず販売に苦慮しているのが現状。過去の営業トークを聞く限り、全額手持ち資金でワンルームを購入すれば預金金利より利回りも良いが、金融会社の提携ローンなどを利用すると、不足分を生涯払い続ける結果となる。客の収入などを税理士に相談し、何らかのメリットを提示しないと、今後は販売が難しくなるように思える。

こうした厳しい状況の中、ノルマを課せられた営業マンの一部は、犯罪すれすれの手法を用いているのが現実である。営業成績が悪い社員はたいてい、どうしたら売れるかを考えたり努力したりはしない。ローンの審査が通らない低所得者などの銀行通帳の残高を改ざんする手法を考える、印鑑証明なども本人に代わって改印するなど、あらゆる「反則技」を編み出すから始末が悪い。

かつて、福岡市議会議員が口を利き、友人の父親の印鑑証明を無断で発行させた事件があった。事件が発覚して自分の行為を知った市職員が自殺した。これに類似した行為がマンション業界では営業としてまかり通っているから怖い。

 

不動産業界からファンド資金が消えたために、デベロッパーが保証にリース会社を利用している例もある。苦しい台所事情に乗じて甘い汁を吸ったリース会社が、今度は吐き出す側に転じるのでは─と、懸念の声が上がっている。

いずれにしても第2次マンションブームは終焉を迎えた。今後何社が生き残れるのか、新たに芽生えた若い勢力がどう成長して行くのか。興味を持って不動産・マンション業界の行方を見守っている。

(J)