国民が生活していく上で欠かせない食料、特に主食である米の生産を所管する役所が農林水産省である。長い歴史の中で、農家は国の手厚い保護を受けてきた経緯から、お上には逆らえない体質が培われてきた。それが選挙時における、自民党の最大の支持基盤の1つとなっていた。 しかし、昨今報じられる数々の事案を見るにつけ、どうも農水官僚の資質は低いようである。最近の歴代総理大臣も同様の考えなのか、無能な官僚の上に無能な大臣を就任させ続けており、ここ数年任期半ばにして辞任する者ばかりだ。 現在の農水大臣は福岡3区選出の太田誠一氏である。過去においても失言の影響によって落選したことがあり、今回もその「大らかな」性格が災いするのでは-と心配していたが、案の定と言うべきか、就任直後から失言・疑惑がマスコミで大々的に報じられている。福田康夫氏の「縁故」で就任した-と囁かれているだけに、総理の辞任で現在は首の皮1枚でつながっているような状態だ。 そんな中、「三笠フーズ」(大阪市)が事故米を食用と偽って販売していたことが発覚し、その悪質さは止まるところを知らない。被害を受けた企業の損失は計り知れず、同時に農水省のズサンな検査体質が露呈した。 この件に関して、「あまりじたばた騒いでいない」という、事態軽視とも取れる太田農相の発言が問題となっている。だがマスコミは大臣発言など「報道する価値もない」と判断したのだろうか、拡大する影響に取材の重点を置き、今やほとんど無視されている。実に情けない。 現在、自民党総裁選が麻生太郎氏をはじめ5人によって争われている。自民議員をメディアに露出させることで世論を盛り上げ、その余勢でもって解散・総選挙を乗り切ろうとする魂胆が見え見えである。さらには、その勢いが低下する前の早い時期に総選挙を-と、投票日を10月26日に設定する案が浮上する有様だ。こんな状態に最近では「誰が総理になっても同じで、ねじれを解消するには民主党内閣が良いのでは」との声が、従来は自民支持者であった層からも聞かれ始めた。 自民に対抗する民主の構図も、かつての自民vs社会党の時代とはやや違うようだ。現在の民主党幹部の多くは過去に自民に籍を置いていた経緯もあり、考えが急に右から左に変ることもなく、中味は大して変わりがないように思える。 国民も自民に嫌気がさしているとはいえ、民主に絶対の信頼感があるわけではなく、一抹の不安を持っているのも事実。事故米騒動は、はたして有権者の選挙行動にどのような影響を及ぼすのであろうか。 (J)
事故米の不正流通問題と総選挙 [2008年9月18日11:15更新]
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