慶和印刷破綻 印刷業界の実態 [2008年9月5日09:31更新]

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あっと言う間に建設・不動産業界を席巻したミニバブルの崩壊。銀行以外で資金調達を行っていた企業は資金の枯渇から事業計画の中断を余儀なくされるなど、建設業界を中心に影響は拡大している。そんな経済界にあって50年以上の業歴を誇る「慶和印刷」(福岡市博多区)が、8月25日の決済が出来ずに2回目の不渡りを起こし、総額4億円前後の負債を残して静かに幕を閉じた。



印刷技術の進歩は目覚しく、今や「空気と水以外は全てのものに印刷できる」と、大手印刷会社の社員が豪語しているほどである。弊社でも印刷は欠かせず、小型の印刷機を購入し毎月かなりの枚数を印刷しているが、その作業工程は比較的簡単で、女性の社員が1人で行いながらも何ら支障はない。

だが地元中小の印刷会社は設備投資に追われ、原材料の価格値上げを仕入先から提示されても、その値上がり分すら価格に転嫁できず、現在も苦しい経営を強いられているのが実態である。

最近数名の印刷会社営業担当者を知る機会に恵まれ、事務所で色々な話をさせてもらった。正直言って、給与も低いが社員の営業力も低く、知恵を絞ることを知らないのには驚いた。仕事の内容を聞けば毎日得意先を回って注文を頂くという、昔ながらの「御用聞き営業」。この様な営業社員を抱えている印刷会社は倒産してもおかしくない、と思った。中には社長の発想で企画商品を開発しても、営業社員が理解できず安値受注で赤字になり、事業を継続すればするほど赤字の垂れ流しとなる例もあるという。

日常生活の中に印刷物はあふれている。販路拡大の余地はまだまだあるわけで、アイディアを出せば需要は増え、特に独創的な商品開発を行えば収益性のアップに繋がると思うのだが。

こうしたビジネスチャンスをつかむには、やる気のある社員を情熱を持って教育指導することが肝要である。一見厳しい印刷業界も、現状を踏まえてこのような努力をすれば「人財」に変化し、宝の山にめぐり会うこともできるだろう。

(J)