「もったいない」 [2008年5月9日09:53更新]

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かつて「消費は美徳」とされていた時期もあったが、最近は社会情勢を反映してか、「もったいない」という言葉をよく耳にするようになった。

私自身は医者から糖尿病を宣告されてから食事をコントロールしているため、ご飯などは最初から少なめに注文することが多い。一昔前まで、昭和一桁生まれは駅弁を食べる時に取ったフタの裏についているご飯粒から食べると言われたものだし、子供が残したものを親が口に入れる光景もよく見かけたものである。



当時から比べると現在は食材が豊富になり、海外からの安い輸入品も増えた。同時に食に関する法律や規制が厳しくなってきたが、一般の消費者では識別の知識に欠け、判断に苦しむケースが多くなったことが理由の1つと思われる。

 

故湯木貞一氏が創業し、国内における高級料理屋として、知名度の高かった「船場吉兆」。食品偽装表示問題が発覚した後、民事再生法を申請して再出発した矢先に、今度は客の残した料理の食べ残しを使い回ししていた事実が表面化した。

一般庶民がそうそうは利用できないような高い料金を取っていた高級料理屋が、近所の食堂にも劣る商人道徳で商売を行っていたと知って驚くばかり。吉兆に初めて訪れる客はその「名前」と雰囲気に飲まれて有頂天になり、「自分もグルメになった」といった気分になるのだろうが、実は錯覚だったわけである。

この様な料理を出していたことが発覚しては、常連であることを自慢していた客は怒り、二度と船場吉兆ののれんをくぐることはないだろう。女社長が頑張っても営業を続けることは出来ず、早晩のれんを下ろすことになる。

 

食品業界では産地を偽ったり賞味期限切れをごまかして売ったりといった事件が数年前から続発している。メディアに乗りさえすれば名前だけで客が飛びつくという傾向もあり、商品の質や客へのサービスよりも利益を優先する経営者の「驕り」が事件を起こしていると思われる。

(J)