以前本欄で紹介した「中小企業倒産防止開発機構」。予想以上に反響が大きく、「もっと事情を知りたい」「ほかに情報はないのか」といった問い合わせが増えている。そこで、さらに詳しく、その実態を述べてみたいと思う。 仰々しい会社名と、代表者・徳川高人氏の名前から、同社配布のチラシを見た大半の人が「江戸幕府の将軍であった徳川家の末裔で、何らかの公的機関なのだろう」と解釈、信用してしまうようである。 過去の詐欺事件の新聞記事や裁判記録に目を通せば、それが「単なる勝手な思い込み」であることは一目瞭然なのだが・・。 一般の人にとってそこまでの確認は困難であることは承知しているが、それにしても、多くの人が素晴らしい事務所の雰囲気にのまれ、徳川氏に絶大なる信用を寄せていることは、われわれからすれば不思議としかいいようがない。 年度末を控えた中小企業の大半が、苦しい資金繰りで悩んでいるのが実状である。それを支援する広告チラシが配布され、ワラをもつかむ思いで相談に訪れると女性社員が対応し、アドバイスに加えて支援を申し出る。 数日後に迫った手形決済の一部資金を貸すと言われれば、大半の経営者にとって「地獄に仏」、さっそく経理書類を提出し、コンサルタント業務の契約を行う。 その後、「経理書類を検討した結果、長期の資金計画が必要」と説明。小切手、約束手形帳に銀行印から実印まで、「貸し金庫」と称している部屋での保管を申し出る。そうなると、経営者としてはまず疑いもなくそれを受け入れてしまう。 その上で、会社の規模にもよるが、数百万円単位の手形を数十枚振り出させて割引を行い、総額の半分程度を運転資金として会社に渡し、残金の一部は同社の利益として、次なる舞台装置へと「投資」される。 資金繰りに困った経営者は「だまされた」と憤るどころか、その行き届いた対応ぶりに感激していたほど。窮した者の心理を巧みに操るそのシナリオと、計算された営業力に、驚くほかない。 業務内容にしても、弁護士法に触れないように巧妙な契約書を作成している。悪賢い人物が裏で脚本を書いているのか、徳川氏が過去の経験を生かしているのかは定かでない。 だが敏速な社員の行動は弁護士顔負けであるし、女性社員の教育などは素晴らしい「演出家」が担当している模様である。 「悪魔の甘い囁き」は、救いを求める者に短時間ではあるが、希望を与える。その先に待つのは「奈落」しかないのだが・・。依頼者=被害者はウナギ上りに増えているようである。 (J)
続・非弁活動 「悪魔の囁き」の先には・・ [2008年3月11日09:19更新]
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