餃子事件 転じて福となす [2008年3月6日09:20更新]

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(08年2月号掲載)

福岡市は、日本で最初に中国からうどんが伝来した「発祥の地」であると言われている。だが最近はラーメン店に客を奪われ、客が行列を作る店はそちらの方が多い。ラーメンといえば餃子が付きもので、庶民の味として定着して久しい。



かつては餃子も自宅で作ったものだが、そのうち皮は市販品を使う人が増え、さらに冷凍技術の発達で既製品の餃子が食卓に上るのもごく普通になった。

 

利益を追求するあまり材料費や人件費が安い中国で製造するメーカーが増えた業界は多い。食品も例外ではない。安全性よりも価格を優先した結果、主婦の信頼を得て業績を伸ばしてきた生協でさえ、中国製品を販売していたから驚いた。

生協の出発点は食生活の安全・安心だったはずである。それが、組織が大きくなりすぎ、安全の確保よりも利益追求の傾向が強くなった。

1人1人の客のニーズすべてに対応すれば、扱う商品の種類も増え検査や管理が難しくなるのは当然だ。幹部は本来の道を見失っていたように思える。

昨年の北海道での牛肉偽装事件や今回の事件で、生協の信頼が大きく失墜したのは事実だ。多くの会員は、一般商店よりも生協への信頼が強いだけに、昨年からの度重なる事件発覚で、生協離れが起こることが予想される。

問題となった伊勢の赤福も本店で販売が再開され、初日は大勢の客が押しかけて夕方には商品が売り切れたという。社長自ら店頭で頭を下げていたが、生協はこれを「他山の石」として信頼回復に努めてほしい。

 

今回の事件が冷凍食品の売り上げや価格に影響を与えるのは必至だ。すでに市内の惣菜屋や肉屋などで販売されている、家内工業的な1個15円ほどの手作り餃子は、割高ではあるが人気商品である。今後は手作り餃子を売り物にする店を新しく出そうとする者が出るだろう。

小さな店なら小資本で開業でき、若い人の独立を金融機関も応援すれば「災いを転じて福となす」、新しいビジネスチャンスが生まれることになる。

かつて豆腐はスーパーの目玉商品として格安で販売されていたが、最近は小さな店の「こだわりの豆腐」が店頭に並び、大きさや固さ、価格など工夫を凝らして販売されている。

餃子にも同様のことが言えるだろう。最悪の状況を最初から覚悟して開業すれば、必ず成功すると言っても過言ではない。 

(J)