三権分立の「立法」「行政」は身近に感じても、「司法」は近寄り難い雰囲気で、大半の人に馴染みがないのが現実ではないだろうか。普段から弁護士と付き合いがあり、問題が起こってもすぐに相談できるという人は数少ないはずだ。 日常身の回りで起こるさまざまな問題やトラブルは、従来は地元地域の顔役などが調停に尽力してくれたものだ。だが最近は、問題の解決を裁判に委ねる人も増えた。また軽微な事案であれば司法書士が窓口になって処理するケースも増えているが、着手するまでに時間が掛かるようだ。 さて、今回取上げるのは、経営コンサルタントを名乗る「中小企業倒産防止開発機構」(福岡市博多区)である。 昨年から続いている原油高で、中小企業の経営が日毎に苦しくなっている。資金繰りが厳しくなっている経営者であれば、経営コンサルタントの名で「資金繰りの手助け」を謳い文句にしたチラシなどが目の前あれば、これに飛び付きたくなるのも、ある意味当然だろう。 公的機関顔負けの紛らわしい名前であるが、最初にここを訪れた人はまず、行き届いた社員の応対に驚く。立派な応接室での面談に応じるのは代表者の徳川高人氏。名前にご記憶の方も多いだろうが、福岡県知事選挙に2度、立候補した人物である。 過去に詐欺事件で逮捕された経歴を持っているのだが、人間は変われば変わるもので、その辺りの弁護士より知識も豊富。大半の人が信じて契約書を交わすようだ。 かなり優秀なスタッフも採用しているようだが、過去に何らかの経歴を持っている人物の集団らしく、裏には有能な弁護士が控えている噂も聞かれる。資金繰りに困窮した経営者にとって、これほど頼もしい集団はないだろう。 最後にだまされなければ、であるが。 弁護士資格を持たない徳川氏を、弁護士会が「非弁活動だ」と抗議しても、同社の営業活動は現在も活発に続いている。だまされる手口に気付かずに手形を詐取され、不動産を乗っ取られる被害者が増えても、「民事不介入」を逆手に取られ、当局も手出しができない状況が続いているようだ。 最近は「だまされるほうがバカ」といった考え方が横行し、すべては「自己責任」の言葉で処理される風潮がある。 表面的な「当たりの柔らかさ」と「口のうまさ」を信じ、無知に付け込まれてすべてを奪われても、周囲からは同情すら得られない。いわば「だまされ損」なわけで、怖い世の中である。 (J)
非弁活動!? 中小企業を襲う「魔の手」 [2008年2月13日09:49更新]
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