素早い決断こそ [2008年1月29日09:37更新]

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(08年1月号掲載) 

安倍晋三・前総理の突然の辞任から政権を引き継いだ福田康夫総理だが、大半の閣僚が留任しての内閣発足に、多くの国民が期待し支持率も高かった。しかし従来の自民党体質を継承した福田内閣の人気は急落。マスコミが行った新年の世論調査では、とても総選挙を行える状況ではない。 



すでに支持率で民主党に逆転され、そのポイント差は開くばかり。古賀誠・選対委員長は時間稼ぎを求め、福田総理も今夏日本で行われるサミットで起死回生を狙っているが、現内閣での政権維持は厳しくなりつつある。

人心の一新と支持率回復を目論んでの内閣改造を、当初は1月に行う予定であったが、万事慎重な福田総理は時機を逸したようだ。C型肝炎訴訟の対応にしても、追い込まれて認めるよりも、早い時期に全員の救済を総理の権限で認めていれば、国民の支持率も変わっていただろう。こうした対応の鈍さ・遅さが、政策面で後手々々に回っているような印象を国民に与え、自らの首を絞める結果となっている。

国会ではテロ特措法の成立を巡って、与野党間で激しい攻防が展開されたが、その他にも重要法案は山積しており、国民の生活はさらに苦しくなる。だが、総選挙で仮に自公両党が勝っても、参院で民主が過半数を占める状況は変わらないわけで、国会のねじれ現象は解消できない。

また、民主が過半数を獲得しても、支持する有権者の大多数は「民主党政権」に一抹の不安を持っているのが現実だろう。いずれにしても不安定な状況は避けられず、政界再編が行われる可能性も考えられる。「一寸先は闇」だけに、水面下で秘かに策が練られているかもしれない。

こうした政治状況を反映してか、サブプライムローン問題と原油の高騰からドルと株価が連動して値下がりしている。一方、外資ファンドマネーが日本に流入して東京を中心として不動産が値上がりし、かつてのバブル景気のような様相を呈しているが、不動産売買における決済に支障をきたす例が早くも出ている。こうなってくると、バブル崩壊の経験を活かした、新しいビジネスチャンスが生まれる可能性もあるだろう。

いずれにしても今年は激動の年になる。迅速な決断がすべてにおいて求められ、時期を逸すると福田総理の二の舞いになる。

(J)