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「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」の諺を思い出すのが、今回防衛省が発表した、幹部にGPS機能付の携帯電話を携行させる話。誰が考えたか実にバカげたことである。 携帯電話の普及で情報の伝達が早くなり、メールとあわせてコミュニケーションを取る手段に占める割合が増大している。携帯電話を忘れた時に、何もできない自分を想像すれば、生活の中でいかに必需品となっているか、思い知るであろう。 1個しか持たなくてもたびたび忘れて周囲に迷惑をかけ、慌てている人は多いのに、若い人やプライバシーを重んじる人、忙しいビジネスマンなどは、複数の携帯電話をうまく使いこなしているようだ。 かつて、携帯電話を数個持ちバイブ機能を利用して“特殊な利用法”を編み出した、福岡裁判所の判事夫人もいたが、GPS機能付の携帯電話など、持つことで24時間管理されていると思うだけで頭が痛くなる。 防衛省に提言した人は、よほど謹厳実直な人物なのだろう。少し考えればわかると思うが、悪賢い人間であれば、悪事を働こうとする時には故意に携帯電話を忘れるだろうし、その程度の知恵が回らなければ悪事を働く資格もない。 特殊機能を付けた携帯電話であれば、一般機能の電話より機器代や使用料が高くなるのは必定で、導入の結果、新たに利益を得る人を増やすだけである。官給品で支給しても、何の威力も発揮せず、ムダな出費となるだろう。 緊急連絡の時は、電源が切れていても特殊な回線で「軍艦マーチ」が鳴り出すとか、一般携帯電話機能を改良するなどして対応するよう、考えるべきではないか。 GPS携帯電話を幹部に義務付けるなど、週刊誌の記者を喜ばせるだけである。 (J)

