(07年3月号掲載) 福岡市の東部に隣接する粕屋郡久山町は、元町長による乱開発防止策が功を奏し、緑豊かな町は住民に潤いを与え、今では住環境の指数は非常に高い。福岡市のベッドタウンとして住宅関連業者に狙われはしたが、町は公社を設立して土地を買い上げるという防衛策に出た。こうした施策は成功したかに見えたが、バブル期を境に住民の不満は募り、元町長の思想を継承するのは難しくなった。 そこで元町長の後継者は規律ある開発を計画し、ゴルフ場を新たに建設する100万坪の青写真を発表した。しかしゴルフ場は開発申請に始まり、かなりの時間を要するところから時期を逸し、着工までに至らず計画は頓挫した。 その後一部の土地には商業施設としてトリアス久山がオープンし運営を続けているが、広大なゴルフ場用地は放置され、そこに着目したのが「日本トレイド」(福岡市)代表で、町を仲介して地主との交渉が開始された。 同社は当初福岡市の人工島に用地購入を計画。米国映画製作会社パラマウントと提携し東京のディズニーリゾートや大阪のユニバーサルスタジオ同様のテーマパーク建設を目論んでいた。ところが土地の購入が難航していた矢先に、同町の誘致話が転がり込んできた。渡りに船とばかりトントン拍子に話は進み、同町及び地主との調印が行われ、福岡市内のホテルで盛大に発表が行われた。 その後計画だけが先行して資本の増強が行われたが、建設資金の調達は難航し計画は遅々として進まず、海外での資金調達も計画し発表されたものの、成功したとの情報は未だ聞かれない。地元紙なども報じたために、日本トレイドの企業イメージアップに繋がったが、投資した企業も今では実現を半ば諦めている。 しかし数年前から未公開株の売買が盛んになり、当然同社も話題の対象に浮上。証券会社の営業契約社員などが格好の銘柄として推奨し1株5万円の株が50万円で売買されていた。 そこで登場してきたのが資金運用のコンサルタントとして「資金運用虎の巻」などを監修発刊し、個人には比較的人気があったH&M研究所の所長倉原忠夫氏である。同氏は著書でも取り上げる一方、セミナーの講演でも日本トレイドを推奨したから、人気銘柄として九州各地の株式投資家が同社の株を購入したのは言うまでもない。 中には、株式の売買知識がないのに勧められるまま購入した老人が、虎の子の数百万円を巻き上げられた挙句株券を渡されていないという詐欺まがいの行為が判明し、当局も統一地方選が終われば摘発に向け本格的に動き出すだろう。 先行投資として1000万円単位で株式を購入している建設関連有名企業の名も聞かれ、何らかの事件として摘発されれば、同社の信用は著しく低下し、事業の継続は非常に厳しくなることが予測され、関係者の注目が集まり始めた。 同氏の著書にはサブタイトルに「自己責任」の文字が大きく印刷されている。だますほうにとっては非常に都合の良い言葉で、マスコミが後押ししないと、当局の重い腰は上がらないだろう。 (J)
自己責任?詐欺? テーマパーク計画にうごめく怪しい面々 [2007年3月15日18:17更新]
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