建設工事に欠かせない生コンクリート。「福岡地区生コンクリート協同組合」(福岡市博多区、伊藤奎輔理事長)には現在、企業32社と40の工場が加盟している。 長引く不況のおかげで建設・不動産業界は悲鳴を上げているが、生コン業者も例外ではない。建設物件が減少する中、受注をめぐって福岡地区の業者と区域外の業者との間で激しい綱引きが展開されており、その結果トラブルに発展することもある。その1例ともいえる裁判が、福岡地裁で進行中である。 福岡市・東浜ですでに竣工している大型賃貸マンションの建設工事をめぐり、「三井住友建設」(東京)は昨年5月、監督責任を怠ったなどとして基礎工事を担当した「大洋基礎」(同)を相手取り、約2億3000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。 マンションを施工した三井住友建設は、福岡生コン組合に加盟していない「坡平産業」(飯塚市)に生コンを発注した。だが、運搬時間が通常より長くかかったために劣化が進んだのか、基礎から立ち上げた柱の大部分で鉄筋がむき出しになり、強度が保てないとして工事のやり直しを余儀なくされた。三井側は生コンを納入した坡平産業ではなく、太陽基礎を訴えるにいたった。 生コンはその性質上、運搬に時間がかかってしまうと品質が劣化する可能性が高くなる。そのため施工主は、福岡生コン組合を通じて近場の業者に発注し、時間の浪費を避けるのが通例である。 例えば、東区の香椎浜で建設中の賃貸マンションに使用される生コンは、施工中のゼネコンが福岡生コン組合に発注、最寄りの生コンプラントからミキサー車で運ばれている。事業主であるデベロッパー「ユニカ」(福岡市中央区)が品質重視の方針を打出しているためである。 それではなぜ三井側は組合非加盟の業者に、わざわざ発注したのだろうか。 (続く)
福岡・生コンクリート業界の現状(1) [2009年1月8日08:57更新]
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