女性をターゲットにしたテレビCMで知名度を上げ、全国1400カ所を超える宝石・貴金属、服飾品の店舗を展開していた「三貴」(東京都千代田区)が、1月21日に負債総額約120億円で東京地裁に民事再生法の申請を行った。「ジュエリーマキ」の名でダイアモンドを身近にし、最盛時には1800億円を越える売り上げを誇っていた同社。だが長引く不況に国民の財布のヒモは依然固く、今後の事業継続を危ぶむ声が早くも関係者の間から漏れ伝わっている。 「三貴」と同様に宝飾品を手がけ、特に真珠については製造から販売まで一貫したシステムを構築し、海外でも高い評価を受けている「田崎真珠」(神戸市)。福岡市中央区のアクロスにも直営店を設けているので、ご存じの方も多いだろう。業界をリードしてきた田崎真珠も今回の不況の波に飲み込まれ、現在投資ファンド傘下で経営再建が行われており、このほど新しいリストラ策が発表された。 日本の真珠養殖に関する技術は世界のトップレベルにある。九州では長崎県・平戸や佐賀県・伊万里で養殖を行っているが、採取する真珠が過剰気味で在庫量が大幅に増えたために全国7カ所の養殖場や研究施設の閉鎖。合わせて全社員を対象にした450名の希望退職者を募集した。すでに予定を上回る500名が応募していると言われ、取り巻く環境の深刻さを物語っている。 同社は顧客を集めてピンクのバスで買い物ツアーを実施しているが、計画通りの人員の確保が難しく、福岡店の売り上げもジリ貧状態のようだ。「近く撤退する」との情報があるのか、不動産業者が後釜のテナントを物色し始めている。 長崎県内には中小の真珠養殖業者が点在しているが、昨年末には「仲買人に資金がない状況では集まりが悪い」と判断したのか入札会が開かれず、関連業者からは「困窮は増す一方だ」とため息が漏れている。 それでも「自身を飾りたい」という女性の気持ちは不変のようで、貴金属のリサイクルショップやリフォーム業者は現時点でも結構な仕事量を持っている。当分は厳しい状況が続きそうな宝飾・アクセサリー業界の中でも「隙間産業は健在」と言えそうだ。 (J)
アクセサリー業界にも不況の波 [2009年2月2日09:31更新]
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