虚像に踊った金融機関 第一経営の破綻 [2009年2月25日13:11更新]

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今や日本の菓子業界にとってバレンタイデーは、約1カ月間で年間の30%前後を売り上げる一大イベントとして定着している。そんな2月14日がすぎて間もなく、「第一経営」(福岡市)が自己破産したとのニュースが飛び込んできた。



同社は割烹「蔵前」を経営していた現代表が新たに菓子部門に進出し、倒産企業の工場や商標権などを買収。さらに経営不振で傾きかけた名門老舗企業を次から次にM&Aを使って傘下に収め、瞬く間に素晴らしい企業に膨れ上がった。 

落ち目の老舗でも数億円の年商はあり、同社の売り上げは右肩上がりに伸びた。同時に製造工場も東京、横浜、神戸、広島、福岡に設け、業界の信用と同時に金融機関の厚い信頼を得て拡大路線は加速された。

だが、第一経営単体は60億円前後の年商で、グループ全体では約180億円。グループ内の他の会社が基幹企業の2倍を売り上げているは通常では理解できない。内部で「キャッチボール取引」を行い実際よりも大きく見せていたのではないか。

売り上げの伸びと設備投資で膨れ上がった「大きな虚像」。現代表は実に上手く融資を引き出したとも言えるだろう。だが税務調査で実情が判明したのか、最近では銀行の融資姿勢も厳しくなり、資金調達に変調を来たした結果、今回の事態を招いたものと思われる。

とはいえ、手堅いと言われている地元銀行が虚像に踊らされたのは事実のようで、かなりの不良債権が発生したと伝えられる。負債総額は100億円を超えるといい、近く債権者名簿が発表されれば融資先の金融機関名が浮上するだろう。

地元銀行関連のビルに入居しグループ企業の菓子販売を行うなど、第一経営と融資先の密接な関係も取りざたされている。株主総会で突付かれると、スキャンダルにつながる可能性もある。

(J)