福岡・吉田市政 [2009年9月25日12:59更新]

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民主党推薦の吉田宏氏が、現職の山崎広太郎氏を破って福岡市長に就任したのは06年のこと。だが与党である民主市議団が数の上では依然として弱く、一方で吉田市長自身も地元財界との接触を図るなど、中途半端な姿勢に自民、民主双方の内部で反発が起こり、再選への構図が複雑になっている。



福岡市発注の公共工事に関しては、確かに談合は皆無に近い状態になり、低価格競争が一段と激しくなっている。そんな中、新しい方法であるPFI方式やプロポーザル方式を採用したこども病院、鮮魚市場西冷蔵庫工事に関心が集まった。だが、新しい方式の盲点を突いた疑惑が浮上し、福岡市担当者はその対応に追われ解決のめどは立っていない。

 

国政より一足先に民主政権が誕生した福岡市。その後の統一地方選でも与党・民主は市議の数を増やしたが、それでも自民など保守系市議に数の上で遠く及ばず、また新人議員が多いために鋭い質問も出来ない。市民の間から不満の声も聞かれ始めた。

こども病院移転新築に関しては、多くの市民からの反対署名が集められているにも関わらず、野党である自民党市議団も妥協し賛成する有様。そんな条項の中、9月議会でPFI方式で民間事業者を募集する際の条件が大幅に変更された。かなり強引な方法で進められてきた人工島移転計画だが、全国各地でPFIを採用した病院が破綻していることは、本紙でもかなり前に指摘していた。

民主政権誕生で医療行政の改革も考えられ、少子化への歯止めや子ども専門病院の特殊性などを合わせて考えると、採算性を見直すなどの再検討は当然と考えられる。吉田市政のあり方そのものが問われており、来秋に予定される市長選への影響は大きいだろう。

 

さきごろ、総選挙で福岡2区から当選した稲富修二氏の政治資金に関する問題が浮上、選対本部長に対して疑惑の目が向けられているが、市長周辺でも同様の火種が燻っている。再選へ意欲を持っている市長も、不安要素は大-と語る関係者もいる。

今後もこれらの問題が再燃する可能性は高く、市民も関心を持って見守っている。