(10年6月号掲載)
同銀行が豊富な資金を背景に「シノケングループ」(福岡市博多区)を傘下に収め積極的な営業展開を始めた矢先の出来事で、同社の取引業者や下請けなどに動揺が広がり始めている。
数年前に起こった耐震偽装事件。シノケンも巻き込まれたが、当時のメイン行「福岡銀行」(同市)はいち早く支援を発表し難を逃れた。その後同社は福銀の反対を押し切り積極的な営業を展開。これが裏目となり苦しい経営が続いていた時に、日本振興銀行が救世主として現れた。
シノケンが投資物件として開発中の福岡市内のワンルームマンション4カ所。計画には日振銀によって計約80億円の融資が行われたといい、すでに工事も始まった。このプロジェクトがはたして完成するのか、関係者から不安視する声が漏れている。
一方で、今回の工事までは資金的に何ら心配はないという説も聞かれ、これを裏付けるようにシノケンは今期の黒字予想を発表している。
だが今後の捜査によっては不明朗な融資などが発覚するかもしれず、銀行の存続そのものが危ぶまれる事態も起きかねない。またいったん日本振興銀行に不安説が流れ始めると、かつて旧福岡シティ銀行や佐賀銀行で起きた様に預金の流失が始まる可能性もあり、資金が枯渇する恐れは皆無とは言えないだろう。
銀行再編が進む中で04年に誕生した日振銀は、一応銀行の看板を掲げているものの実態はSFCG(旧商工ファンド)の残党が多数在籍し、営業中味も消費者金融そのものであった。
同銀行はNISグループと提携し中小企業振興ネットワークを創設。中小企業支援を名目に多くの機構組織を参画させ、情報を共有することで業績を伸ばしてきたと言われている。
その1例が「中小企業信用機構」(東京)で、同社が「アプレック」(北九州市小倉北区)時代に融資した顧客名簿をグループ内で共有、新たなビジネスチャンスを生み出してきた。
要するに中小企業を食い物にして最終的には日本振興銀行が利益を吸い上げる仕組みが構築されているわけで、元関係者も「一度借り入れを行うと、中小企業振興ネットワークという『クモの巣』から逃れることができず、さらに多くの犠牲者が出る」と証言する。
同銀行に発生した竜巻に対し、株式を公開しているシノケンがどの様な対応で危機を回避するのか。社長の手腕が問われるがそれはあくまで一般論で、「すでに死に体」との声も漏れている。
日本振興銀行とシノケングループ [2010年7月12日10:22更新]
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