注目される高松産業代表の手腕 [2010年9月2日09:04更新]

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(10年8月号掲載)

かつて日本のエネルギーは石炭が主役で、福岡県内にも多数の炭鉱が存在した。麻生・貝島・伊藤のいわゆる石炭御三家など多くの関連企業が栄耀栄華を極めたが、エネルギー革命によって石油へと取って代わられ、急激に衰退していったのはご承知の通りである。

九州の経済界をリードする「九州電力」(中央区)も石炭から石油、さらに原子力発電へと移行し、エコが叫ばれ始めた昨今は太陽光や風力など新しいエネルギーの開発へと転換を重ねている。



そんな中、1943年に石炭販売を主力に創業、67年の業歴を誇る燃料・化学製品販売「高松産業」(水巻町)に、なぜか関係者の注目が集まり始めている。

 

同社は石炭から石油、ガスへと販売の主力が移る過程において異業種への進出に成功し、燃料・建設・不動産の関連会社で高松産業グループを形成。北九州、遠賀地区を中心に確固たる地位を築いてきた。だが多角化に伴う投資で金融機関からの借り入れは年商に匹敵するほどに膨らみ、金利負担が財務状況に影響しているという。

創業以来の伝統を守り通している社内体質も、今では逆に重荷になっているようで、現代表は物心両面の改善を求められていると言っていい。企業が大きく成長してゆく過程において様々なトラブルが発生するのは世の常であるが、同社はその解決方法について取引先や関係企業から疑念を持たれ、距離を置かれ始めた─との情報もある。

過去の実績から地元や九州電力などに隠然たる勢力を誇示してきた同社ではあるが、時代の流れの変化から衰退を余儀なくされているようである。

 

情報や雰囲気を敏感に察知する金融機関が見逃すはずもなく、企業の体質改善を名目に有利子負債の圧縮を強く求めており、そのため遊休資産の売却も社内で検討され始めた─との噂も漏れ伝わってきた。

同社は福岡市のメイン通りに面した一等地にビルを所有。さらに広い本社所有地は周辺のインフラ整備が進み、利便性を兼ね備えた居住エリアとして、昔に比べ地価もかなり上昇しているようだ。これらの遊休資産の売却が進めば一挙に借り入れは圧縮され、決算書も申し分ない内容になることを、金融機関は当然ながら知っている。

 

経営手腕を高く評価されてきた現代表は、関連会社の統廃合や独立採算制を強く求めつつ外部から優秀な人材を採用し、積極的に再建策に取り組み始めたとのニュースも聞かれる。

港を利用した再開発、24時間離着陸できる海上空港の拡張と航空機産業の誘致など、北九州地区では今後ビッグプロジェクトが控えているとされ、それらにどこまで食い込めるのか、代表の手腕に期待する関係者も。

歴史ある企業が時代に即応しながら新しい需要を見出し、それに付随した商品開発を行って本業を守り抜くのは至難の業である。それには代表の商才だけでなくブレーンの知恵も必要であるが、激動の荒海を乗り越えるための舵取りは非常に難しく、名門老舗が多い北九州の企業で経営再生に頭を痛める代表は多い。

高松産業の動向が注目される要因は、この辺りにもありそうだ。