総合評価方式に囁かれる不正疑惑 [2010年10月14日13:13更新]

タグで検索→ |

noimage

(10年9月号掲載)

ここ数年、公共工事の入札をめぐる談合事件や贈収賄事件が数多く摘発され市民の意識や業界のあり方が大きく変わった。発注者である自治体側も厳しい批判を受け、より公正で透明性の高い発注・入札方法を模索せざるをえなくなった。



まず最初に採られたのは事前に工事名を公表し、同時に入札の予定価格や最低制限価格を発表する方法。ところが、何としても落札したい企業が最低制限価格を記して入札するため数社が同価格で並び、数社による抽選となってしまう例が頻発した。

営業努力や企業努力が反映されず「クジ運」で決まることに参加企業の不満は募り、同時に甘い汁が吸えなくなってしまった行政担当者や地方議員も思案に暮れたようだ。

だからというわけではないだろうが、次に登場したのは価格だけでなく計画や技術提案の内容を総合的に審査・評価して落札者を決める総合評価方式だ。

発注側による採点で優劣を付ける方法であるため懸命に努力し提案しても落選する場合もあり、そうした企業からは「おかしい」といった疑問の声が漏れ、「評価する側の主観が入り込む余地が多く、公正さに欠けるのではないか」という指摘が相次いでいるのが現実である。

 

筑後地区における福岡県発注の工事に関連して、県内の某社が懇意にしている有力県議に依頼し、審査担当者に圧力をかけて加点させ、見事落札した─との情報が飛び込んできた。

この工事の入札はやはり総合評価方式で、20点満点で採点された。うち12点は会社の規模や過去の実績などについてで、これらについては客観性が高く、現実離れした評価ではすぐに関係者に不審がられてしまう。

残る8点が施工計画に対する評価で、これは審査する側の主観で加減・操作できる余地があり、某社の悪賢い営業担当者はここに目を付けたようだ。落札がよほど嬉しかったのだろう、担当者は仲間数人との酒席で県議に依頼した話を自慢げに漏らしたのだという。

 

試しに別の工事入札に参加した企業に資料を見せてもらったが、審査担当者の能力を疑ってしまうような不自然な評価点が散見された。参加企業が疑念を持つのも当然で、特定の企業を落札させるために発注者が点数を加減するやり方は、業界主導の談合よりもはるかに悪質、まさに犯罪である。

最近、福岡市発注工事で総合評価方式による入札が行われたのだが、ここでも同様の不正が囁かれている。現に落札した建設会社代表と市幹部OBが中洲で飲食をともにしている場面を目撃されてもいる。

いずれ捜査当局が同方式に注目し、摘発される例が出てくるかもしれない。