(11年3月号掲載)
ところが前日の11日に起きた東日本大震災で、予定されたイベントはすべて吹っ飛んだ。関係者だけの寂しい発車式となった上、マスコミの扱いは小さく、これまでの苦労は水泡に帰した。仕方がないこととはいえ、関係者は悔しい思いをしていることだろう。
13日に博多シティを訪れると、頭の中に津波の映像が強く残っているのか、行き交う人々はどこかこれまでと違った雰囲気で、観光客からも笑顔が消えたような印象を受けた。
翌14日はホワイトデー、地下の洋菓子3店には相変わらず長い行列が出来ていたが、他の店の前に人だかりはなく、まさかもう「オープン景気」は終わってしまったのか─と驚いてしまった。
新幹線ホームに上がってみると震災による影響なのだろう、東京行きの便には空席が目立つ。下り方面の乗客もまばらだ。未曾有の災害が招いた事態ではあるが、早くも正念場を迎えたと言えるかもしれない。
さて、新幹線開通で熊本や鹿児島への移動も大幅に時間短縮されることになった。各企業の九州における営業拠点見直しも進むはずで、新しいビジネスチャンスが多く生まれることだろう。だからと言って安易に商圏を広げれば、しっぺ返しを食う可能性もある。
例えば福岡への進出を狙う鹿児島の飲食・食品メーカーであれば、福岡に店を出すだけでなく鹿児島本店の存在を重視することだ。本店だけの商品を確立すれば、福岡から訪れる客が増えて、鹿児島の魅力を再認識させることができる。このお手本は北海道にあるから参考にするとよい。
一方で、新たな問題が生じるであろうことも忘れてはならない。時刻表を見ると、在来線からは特急が姿を消して普通・快速列車の本数も減少、通勤・通学時の利用客に限定するようなダイヤになったのが分かる。
JRも一民間企業。収益を上げるため、営業の中心に新幹線を据える形に移行したと言っていい。
今後は観光客やビジネスマンは新幹線の駅に集中することが予想され、そうなれば新幹線とは関係ない駅の構内や駅前商店街で、廃業に追い込まれる店が頻出するのは時間の問題だろう。
地方都市の疲弊がさらに進むわけで、新幹線開通の「負の側面」にもしっかり目配りする必要がある。
九州新幹線 全線開通 [2011年3月30日12:43更新]
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