危ない商売 [2011年4月26日13:16更新]

タグで検索→ |

noimage

(11年4月号掲載)

3月に東日本大震災が発生して以来、日本国内の建設資材は東北・関東地方の被災地へ優先的に送られているようだ。そのため九州の建設現場では資材を発注してもなかなか納期が確定できず、現場責任者は頭を痛めているのが実情である。



新築物件の工期も当然予定より遅れることになり、顧客への販売・引き渡しが出来ないデベロッパーが続出、資金繰りに困っている企業も多い。地元の建設・不動産業界は当分の間、震災の影響で厳しい状況となりそうだ。

 

そんな中、福岡の不動産業者A社がある金融機関と組み、節税のため、あるいは利殖を目的に投資型マンションを購入したサラリーマン投資家を相手に「危ない商売」を行っているとの情報が漏れ伝わってきた。

サラリーマン投資家の中には、不景気のおかげでローンの返済に追われている者も少なくない。そこに目を付けたA社が、こうした投資家に利回りの良い中古物件を斡旋。適正価格を大きく上回るオーバーローンを組み、利益の一部、数百万円を購入者にキックバックしているというのだ。

現金を手にできれば延滞しているローンの支払いに充当し、一時的に督促から逃れられる。だから投資家としては後先を考えずにA社の勧めに応じてしまう。

A社と組んでいるのは大手リース会社などではない、れっきとしたB銀行福岡支店。同支店が行ったA社絡みの融資総額は、すでに数十億円に達しているとの情報も。A社とB銀行担当者は、実にうまい手を考えたものだと感心する。

だが新たな物件を購入した以上、再び毎月のローン返済に追われだすのは時間の問題、しょせんは一時しのぎだ。不動産の価格が上昇すれば話は別だろうが、このようなオーバーローンで成功したケースはほとんどなく、いずれ破綻するのは確実のように思われる。

中には、元の所有者がA社に売った価格と投資家がA社から購入した価格との差がかなり大きな物件もあり、それで得た利益を仲間内で分配しているとの噂も聞かれる。

投資家が破綻してこうした行為が露見すれば、スキャンダルや民事訴訟に発展するおそれもあるが、詐欺事件として訴えるには弱い面もあり、結局最後は負債だけが残って泣き寝入りせざるをえなくなる可能性が高い。

A社は震災で東京の投資型不動産の購入を控えている投資家に対して、安く買い叩いた九州の中古マンションやアパートを1棟単位で高く売って儲けているという。それだけになぜこのような商売に手を染めたのか理解しかねるが、とにかくこの種の話には安易に乗らないことが肝要である。