JR南瀬高駅の有人化  [2011年6月6日12:24更新]

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(11年5月号掲載)

筑後地区に位置するみやま市の議会でこのほど、今期限りでの引退を表明している岡部挙議員が現在無人駅となっているJR南瀬高駅の整備についての提案を行い、市長をはじめ関係者の間で話題になっている。



みやま市にはJRの駅が3カ所あるが、無人駅は南瀬高駅だけ。だが同駅の近くには保険医療経営大学が開校、公営住宅も建設されている。岡部議員は今後は市の中核地へと発展する可能性があるとして、同駅をあらためて有人化するよう求めたのである。

同駅が無人化されたのは20年以上前。その間、JRや行政が協議をしながらトイレや駐輪場などの整備に取り組んできた。それを再び有人化するとなれば新たな人件費などが問題となるが、市のトップは前向きな検討を約束した。

 

東日本大震災に伴う福島の原発事故で住民の強制退去が問題となっており、特に子を持つ若い親たちの間では居住地を真剣に考えるムードが高まっているようだ。そうなると当然、こうした人々を受け入れる「定住圏構想」が、各地で取りざたされることになる。

南瀬高駅の周辺には住宅も点在してはいるが、大半は農地である。しかし農業従事者の多くは高齢化し後継者不足の悩みも抱えている。同駅周辺の農地は坪1万円以下と言われており、行政が買い上げて宅地化すれば安価に土地を提供できるのではないか。

さらに、筑後地区の道路や橋などのインフラは他地区よりも比較的整備されており、JRや西鉄大牟田線を利用すれば福岡への通勤は可能。みやま市で生産されているセロリやナスの名称には「博多」の文字がすでに使われ、関東・関西地区に出荷されてもいる。

福岡市への通勤圏としてアピールし、その上で医療施設や保育園などの充実を図れば、安心・安全な移住先を求める人々には魅力的な場所と映るはずである。

若者が子どもと一緒に移り住むようになれば人口増により税収も増え、加えて住宅建設の際には地元業者が受注できるようなシステムを構築すれば、経済の活性化にもつながるだろう。

 

筑後地区には地元選出国会議員の名前を冠した「○○道路」「○○橋」がいくつもあり、税金の無駄使いの典型例、「負の遺産」として揶揄されてきた。実際、道路や橋の建設だけで地域が発展することはないことは、同地区の現状を見れば明らか。今こそこれらを「地元の財産、魅力」へと変えるために知恵を絞る時である。

ベテラン議員の提言がきっかけで新たな定住圏構想へと発展し、人口増と街の活性化が実現したならば、実に素晴らしいことではなかろうか。