大幅な予算オーバー!? 舞鶴地区の学校統合計画 [2011年8月15日17:24更新]

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(11年8月号掲載)

商業地域である福岡都心部にも、かつてはかなりの数の住民がいた。だが時代の流れとともに職場と住居が分離されるようになり、中央区や博多区の住民は郊外へと移動。この、いわゆる「ドーナツ化現象」のおかげで都心部にある小中学校の生徒数は著しく減少し、各校は存続の危機を迎えている。



福岡市はまず、子どもを持つ若い世代が都心部に住めるよう、建設費の補助や家賃補助を受けられる賃貸マンションを建設。だが効果は一時的なものに止まり生徒数は再び減少。そこで今度は学校の統廃合を進めることになった。

その中で現在問題となっているのは2014年開校予定の大名小、簀子小、舞鶴小中学校(中央区)の統合計画だ。

 

新校舎の設計を行うのは「日建設計」(東京)と「志賀設計」(福岡市)のJVで昨年7月、プロポーザル方式によって決定。今年6月末には本設計の図面を市に提出した。

市が想定する新校舎建設費用は公表されていなかったが、約65億円という「内部情報」が流れ、そのため参加した各JVこの金額を前提に設計。中でも日建・志賀JVの提案は素晴らしいものだったようで、他のJVから賞賛の声が上がったほどだったという。

ところが本設計を元に見積もりを行うと、何と約109億円もの建設費用が必要なことが判明。発注した市の担当者も慌てたようだが事業者の見直しは行わず、費用は最終的に約90億円にふくれ上がりそうだという。同JVに決めた各審査員のメンツを考慮したか、あるいは同JVでなくては困る理由でもあるのか・・。

当初の予定が各JVの見込み通り65億円だったとすれば、25億円もの金が密かにアップされ、余分に支出されることになる。ゼネコンの価格競争が激しい昨今とはいえ、公共工事で最初からこれほど予算をオーバーした設計も珍しい。

一口に25億円と言っても一般市民にとっては気の遠くなるような数字。教育に金をかけるのは悪いことではないが「過ぎたるは及ばざるがごとし」、あまりにも無茶な話ではなかろうか。なのにこの事態を追及しようとしない市議会の無能ぶりに、業界関係者も呆れている。

 

福岡市は公共工事発注に際し地元企業育成に重点を置いているとされる。だが今回の2社の取り分は日建8、志賀2の比率と言われており、この方針とはまったく逆である。

最近の同市公共工事においては業界の談合はほぼなくなったと言われているが、一方で大手企業の横暴がまかり通るような発注が増えており、行政と業界の間に市OBが介在するケースも多い。議会にはこうした点を踏まえた上で官民の癒着を追及してほしい。