歪んだ3号線広川~八女バイパス「八女市編 ⑩」 [2020年11月10日09:20更新]

下の図は、国が示した広川町の起点から八女市立花の終点までのルートで、浸水想定地域、土砂災害想定地域、矢部川などの地形を考慮しながら引かれている。
だが、過度の蛇行を見る限り、それだけかと勘ぐりたくなる。
このルート、広川町については「広川町編」で後述するが、「敢えて上広川小学校を壊すこと」、そして「T氏の売却物件情報の真ん中を通ること」、この2つが必須条件として線引きされた可能性が高いという関係者の声もある。



現在、福岡県が県道久留米立花線を整備中、国が示したバイパス案はそれより山側を並行し、しかも蛇行して走る予定で、費用対効果に疑問が残る。
ちなみに、バイパスの建設費の負担割合は国が3分の2,県が3分の1で、総工費300億円として100億円は県の負担、県道久留米立花線の整備費合わせて二重の支出となる。
県財政がひっ迫している中で、果たして県議会が同意するのかも疑問だ。
バイパスらしく、蛇行の少ない無駄のない、しかもより山側に近い曲線を描くと下図(青線)のようになる。
もちろん、諸条件はあってこの通りにはいかないだろうが、少なくとも上広川小学校とT氏の売り物件情報の円上を通る必要はないのではなかろうか。



上広川小学校とT氏の売り物件情報の円上を通ることで、煽りを食うのが八女市忠見・大籠地区の住民だ。
ルートは忠見地区の見崎中学校付近で急にカーブする。



広川町の起点からここまでは、山側の民家の少ないルートだが、なぜか忠見地区から民家の上を通過することになる。
少なくとも20軒以上の家を壊すことになり、移転補償のコストや、立ち退き拒否で工程が思った通りに進まない可能性も十分考えられる。

※国が示したルートと住宅地図を参考に作成した図、青色は民家

航空写真と住宅地図で確認すると、もう少し山側を走ると民家の通過を最小限に抑えるルートも十分考えられる。
本来であれば、移転しなくてもよかった住民の方が、ルートが歪められたことで移転を余儀なくされようとしている。
突然降って沸いたバイパス建設に、忠見・大籠地区の住民の多くから悲鳴が上がっている。

ー 続く ー