NEXCOと大島産業 ⑧ [2021年3月2日08:00更新]

■ 大島と塚本の深い関係

 

大島産業は、5年程前までは地元福岡県内の道路工事を行う会社だった。
ところが、平成28年4月に発生した熊本地震で 高速道路の「ロッキング橋脚」が落橋したことを受け、国が早急に耐震補強を行うよう号令をかけて以降、県外のNEXCO3社が出す耐震補強工事を主力に営業方針を転換している。
NEXCOの工事を始めてから、平成29年3月期は18億423万円だった売上が、同30年3月期 33億2187万円、同31年3月期 31億3913万円、令和元年3月期 38億1245万円と一気に倍増している。



当時はオリンピック特需で全国的に好景気で下請業者を探すのが大変な時期、福岡にしか営業所のない20億規模の企業が、土地勘のない北海道や関東の現場を受注するというのは通常考えられない。
その背景には、塚本總業のネットワーク(取り引きのある業者)があったことは間違いないだろう。

ところで、現在設置されている NEXCO中日本の第三者調査委員会は、結論を出すのに時間を要している。
2月18日に開催された第4回委員会では、「提出された施工体制と実際の現場での施工体制に齟齬があるという証言があり、受注者側の施工体制に関する疑義が生じている」と、弊社が報じてきた内容に言及されていて、更なる調査が行われるようだ。

真相究明をするなら 大島はもちろんだが、塚本總業八幡支店の支店長 及び F次長へのヒアリングは必須と言えるだろう。

・契約書類の偽造があったか?
・下請に二重契約をさせるメリットは?
・資金の還流や水増し請求はなかったか?
・このスキームの発案者は?
・塚本總業と大島産業の関わりはいつから?
・塚本總業の本社はどこまで関与していたか?
・NEXCO東日本や西日本でも行っていたか?

など 確認すべき点は多い。

- 続く -