NEXCOと大島産業⑬ ■大丈夫? 落札率74% [2021年3月25日13:36更新]

取材を進めていく中で、2つの疑問点が出てきた。
なぜ大島産業が中日本の工事に低入札で参加したか、そして、なぜ耐震偽装までして工事を急いだかだ。

まず、低入札で参加した理由であるが、この工事は 第1回目の入札が平成29年11月、2回目が同30年2月と2回連続で不調となり、同年7月に行われた3回目の入札に、2社のみが応札している。

そのうちの㈱今重興産(大阪府堺市)が「契約制限価格」の7億5585万円(税抜)を大きく上回る9億4700万円の札を入れているが、それは 決して無理はせず、あと2億円出してくれれば受けてもいいということだ。

それに対し、大島産業は「重点調査価格」を下回る5億6688万円で落札、その後 低入札調査を経て契約に至っている。
落札率は、公表されている同種の工事と比較しても極端に低い74%で、計算ミスか、もしくは初めての中日本の工事を確実に手中に収める意思があったと思われる。

3回目の入札で決めたい中日本にとって、大島は低入札 且つ 初めての受注ということで、不安はあったと思われるが、オリンピック景気に沸く時期、手を挙げてくれる業者がいただけでありがたかったという側面もあった様だ。

工期は当初、平成30年8月29日から令和元年10月22日(1年2ヶ月)となっていたが、下請業者の話によると、現場のことが分かる人間が大島にいなかったことが原因で、初期段階から工程に遅れが生じていたという。



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