福岡県議会の実態 [2008年4月22日08:46更新]

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 (08年4月号掲載)

地方分権を旗印に、全国知事会の会長として活躍している麻生渡知事。昨年4月の知事選では、多選批判から自民党の推薦が得られない中、「県民党」なる看板を掲げて見事4期目の当選を果たした。



自動車産業関連企業の誘致、将来を見据えてのIT産業の育成と、その仕事ぶりは高い評価を呼び、他県の知事がうらやむほど。しかし在任期間が長くなるにつれて県庁内には澱んだ空気が漂い、最近は側近と呼ばれる人達の言動からかつての謙虚さが消え、驕りが目立つようになった―と県庁職員から不満の声が漏れている。

共産党を除くオール与党だった県議会は現在、表面的には中央の自民vs民主の対決構図を反映している。だが永年に渡った馴れ合いがそう簡単に変わるはずもなく実態は呉越同舟。持ちつ持たれつ、利権を分配し合っているとの情報が聞かれる。

県の3月議会で自民と民主の県議が質問し、表面化した前原市の土地等価交換問題。県議会においては自民・民主の間に太いパイプが存在しており、今回は行政側がこれをうまく利用して、適当な落とし所を見付けた―との噂が伝わって来た。

こうした「調整役」に対する見返りなのか、ある民主有力県議が裏で経営する企業に対し、県は随意契約で仕事を発注しているという。

業界を牛耳ってきたボス的存在の有力県議。だが最近は新興勢力が入札に参加し始めた。このため、いまだに続く談合とズサンな契約内容、そして行政・県議の癒着の実態が、契約書などによって浮き彫りになる可能性が出てきている。

 (J)