談合めぐるあれこれ [2007年6月15日18:07更新]

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(07年6月号掲載) 

過去における公共工事の大半は、何らかの方法で談合が行われ、入札に参加する企業も悪しき慣習と知りながら、利益率の良い「甘い工事」に群がり、罪の意識も無く繰り返して来た。業界の仲間内だけでやっている時は良かったが、実力議員や首長に暴力団、その筋の圧力団体に官僚主導と、止まるところを知らずエスカレート、多くの国民が知るところとなった。



本来は取り締まるべき警察も加担する有様で、泥棒に泥棒を捕まえろと命令しても無理があり、司法関係者も知恵を絞って国税や公正取引委員会と連携し、犯罪摘発に効果を挙げている。

現在、スーパーゼネコン大林組が受注した大阪府枚方市の清掃工場建設に絡む談合事件で、議員を含む関係者10人が逮捕され、その影響を受け大林組のトップは、創業者一族を含め責任を取り辞任した。

 

数ある建設工事の中でも、プラントメーカーが絡む焼却場・下水処理場建設では特に、地元対策費と称して多額の現金が飛び交い、その受注競争は熾烈を極めると言われている。住宅開発が進み人口が増加している福岡市近郊の筑紫野市でも、数年前から広域事業として焼却場の建設が進められているが、当初から怪情報が乱れ飛び、あまりの激しさから入札参加を辞退したメーカーもあった。

結果的に、最近摘発を受けている企業が落札。これを受け、談合摘発では全国トップクラスの当局が連携して再び着目しているとの情報がある。関係者の間に動揺が走り、水面下の動きが慌しくなったと言われている。

(J)