建設業界でうごめく「都市再生研究所」 [2009年2月24日09:17更新]

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(09年2月号掲載)

景気が悪くなると、うまそうなエサをちらつかせた詐欺まがいの話が横行するものである。様々な要因が重なって受注に苦しんでいる建設業界だが、新しい手口でもって業者の間を回っている、怪しげなブローカーが登場した。



その名は「都市再生研究所」(福岡市中央区天神2丁目)。法人登記簿によると2004年、七社会をはじめ地元財界で名の通った企業、大手ゼネコンの元社長・役員らを自社に迎えている。その顔ぶれたるや、福岡の経済界に多少でも通じていれば「都市再生研究所とは一体どんな企業なのか」と驚くことだろう。

05年4月に中央区警固から現住所に移転したが06年2月、なぜか大半の役員が辞任。にもかかわらず、現代表が持ち回っているパンフレットには旧役員の名前がいまだに記載されているという。

当初は熊本市で設計事務所として設立されたようで、福岡へ舞台を移した後、信用を得るために財界関係者を役員に迎えるなど「小道具」を揃えたとみられる。

もっともらしい会社名に立派なパンフレット。これでは建設会社の経営者が信用したとしても無理はない。のどから手が出るほど仕事が欲しい状況であれば何らかの契約を結び、経費の先払いも辞さないだろう。似たような名称の独立行政法人「都市再生機構(UR)」があるが、都市再生研究所とはもちろん関係ない。

会社名や役員名を見て「第3セクターか公的機関」と勝手に思い込んでしまうと、取り返しが付かないことになるかもしれない。関心がある方は本紙までご一報を。

 (J)