高齢者が入院すると見舞いに行くようにしているが、行く度に思うのは医学、医療技術の進歩である。
患者ベッドの周囲を医療機器が取り囲み、患者の体に穴を開け数本のパイプが装置され、延命治療が行なわれているケースが、非常に多いのが特徴だ。
その痛々しい姿を見ると果たして患者本人が、延命治療を望んでいるのだろうかと疑いたくなる。
昔は人生50年と言われていたが、生活の変化や食事の改善などで、現在では20年から30年延びており、寝たきりの状態でも医療の進歩で、数年間は入院生活が続く場合も出てきた。
入院患者を抱える家族の生活も変わり、その医療負担が生活を圧迫し、心の片隅に何らかの変化が起こるのは事実である。
驚いたのは胃に穴を開け、ゼリー状になった食事をパイプで注入する設備で、胃ろうと呼ばれる機器を利用している患者が、いまや全国に40万人はいるようだ。
大きな病院ほど延命治療の設備が進んでおり、笑顔で安らかな眠りにつくのは、小さな病院のほうがいいのではとも言われ始めており、治療設備の存在価値の見直しが進んでいる。
一方では病院側から延命治療を問われて、家族が拒否することは非常に困難で、親族が苦悩することも多いように聞いている。
人命の尊さは充分に認識しており、1日でも長く生きていて欲しいと願う気持ちも理解できるが、それはせめて意識がある間のことではないだろうかと思う。こんな記事も読まれています

