街の発展は交通の便に左右される。
特に鉄道だ。
今年4月に市長選挙がある小郡市は、久留米市と筑紫野市にはさまれた、人口6万人弱の地方都市だが、市内を南北に走る西鉄大牟田線には駅が7つあり、東西を貫く第三セクターの甘木鉄道には4つの駅がある。
11もの駅があるのだから、さぞかし・・・とは誰も思わない。
駅前に商店街があるのは市中心部の西鉄小郡駅ぐらいのもの。
残りの10ヶ所は田んぼの中に駅があると言って過言ではない。
関東などのように、私鉄が鉄道を敷き、駅を作って、周囲にニュータウンを形成、人口増加に一役買えるようになれば良いのだが、西鉄三国が丘駅以外はどうやら西鉄大牟田線は逆のケースのようで、大牟田まで線路を作るのが目的で、途中の人が住んでいるところに駅を作ったかのようだ。
もちろん、行政も無策。
小郡市関係者も市民を増やそうという気はどうも感じられない。
人が増えるのも、逆に減るのも、なすがまま。
その結果、2035年、平成45年には現在よりも人口が約4000人減り、5万4000人となることが予想されている。
人口が増える要因の1つに仕事の問題がある。
少々古い資料だが、平成22年の小郡市役所調べによれば、市民の19%余が福岡都市圏に、そして12%弱が久留米に通勤しているそうだが、現在では福岡と久留米では10ポイント以上差が開いていることだろう。
かつて聞いた話だが、地方都市ではどこでも言えることだろうが、一番待遇の良い勤務先は市役所だそうで、二番目が農協という話しだったが、ここ小郡市でもこれは通じる模様。
ならば小郡市は、勤務地ではなく、ベッドタウンとしての街の将来を目指さざるを得ない。
11もある、駅をいかに活用するのか、真剣に検討することが求められ、福岡都市圏からの移住をどう図るのか、受け皿作りが今回選挙の重要な課題となるだろう。
人口問題をどう考え、いかなる解決策をとるのか、小郡市を変えたいと訴える候補者が現れることを期待したいものである。