福岡市東区舞松原の傾斜マンション「ベルヴィ香椎6番館」は、全29本の基礎杭のうち8本が支持層まで到達していなかったことが判明、7月21日には販売JV3社(JR九州・福岡商事・若築建設)の社長が管理組合を訪れ、正式に謝罪をした。
25年前の建設当時の資料は残っておらず、また現場の工事責任者も既に亡くなっており、原因の究明までは難しいと思われるが、竣工後2年目くらいから傾斜が疑われたのに対して、問題ないと誤魔化し続けてきたJVの責任は大きい。
謝罪の場では、販売と共に施工も手掛けた若築建設の五百蔵社長が批判を受け止め、真摯に説明を尽くしていた姿が印象的だった。
他方、JR九州の青柳社長からは謝罪の言葉はあったものの、「施工会社から杭は届いているとの報告を受けていた」と施工会社に直接の責任があると言わんばかりの内容だった。
殆どの住民がJR九州のブランドを信じて購入し、傾斜が疑われた後に、管理組合が幾度となくJRに対応を求めてきた経緯もあり、更には施工JVにはJR九州グループの九鉄工業も入っていたことから、住民の一部からは青柳社長の発言には失望したとの声も聞かれた。
記者会見の後、青柳社長と同席していたJR九州の澤亀愼司執行役員に、挨拶しようと会社名を名乗って名刺を差し出したところ、受け取らず小走りに会場を出て行った。
さすがに隣で見ていた新聞記者が、「謝罪会見に来た会社役員の態度ですか」と驚いていた。
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