日の衆議院予算委員会、立憲民主党の野田佳彦議員の質疑は迫力があった。
野田氏は、30年前のリクルート事件後に自民党が策定した「政治改革大綱」で、閣僚や党役員は派閥の長を辞めると決めていたにも拘わらず、岸田総理が総理に就任しても派閥の領袖を辞さなかった理由を尋ねたが、総理は「反省しなければならない」とだけ述べ 答えることができなかった。
また、総理が大臣規範に反して政治資金パーティを頻繁に開催してきたこと、広島での総理就任の祝賀会を脱法的に行ってきたことを挙げ、「抜け穴づくりの先頭に立っている」と語気を強め、自民党政治刷新本部長を務める総理に本部長を辞するよう求めた。
本気度が感じられない総理の改革姿勢を炙り出す質問は的確で見る者を唸らせた。
一方で、その後に登場した福岡10区の立憲、城井崇議員の質疑には溜息が出た。
26分間で 新しい内容もなく、総理から何一つ引き出せないまま終了、野田議員と同じ松下政経塾出身だが 格の違いだけが印象に残った。
スキルの問題もあるが、立憲は「政治とカネ」を追求する議員の人選を間違ったようだ。
実は、城井氏は自身のSNSなどで「裏金議員の退場を厳しく求めます」と声高に叫んでいるが、実は自身も政治資金の還流を地元紙に指摘された過去がある。
平成26年1月9日の記事で、城井氏が 税金の掛からない政党支部に寄付した後、同日中に自身の後援会に還流させることにより、所得税控除で約535万円の還付を受けていたと報じた。
更に、令和2年9月の旧国民民主党解党時、政治団体「福岡県改革協議会」なる団体を新設し、政党交付金が約7割含まれる県連総支部の資金 約1億1000万円を移動させ、自身を含む国会議員の選挙資金として還流させているのだ。
これについては後日詳しく報じるが、政党交付金を自身の選挙資金に還流させている議員は退場しなくてよいのだろうか。
野田議員は、裏金議員らが多く含まれている自民党の政治刷新本部を「汚れた雑巾では汚れを落とすことはできない」と指摘した。
その通りであるが、身内の中にも同じく汚れた雑巾があることを恐らくご存知ないのだろう。