弊社の6月24日配信の「どうなる維新?」で報じた日本維新の会の迷走であるが、新たな展開があった。
その火元は維新が静観を決め込んでいるはずの東京都知事選挙である。
維新は存在感を示すべく独自候補を立てたいところではあったが、静岡県知事選翌日に立候補を表明した蓮舫氏と現職小池氏のメディアジャックを背景に擁立は難航。
一部報道では第三の候補者として台頭してきた石丸伸二候補に推薦を打診したものの拒否されたという。
6月12日には馬場代表が、「総合的に判断して」独自候補の擁立を断念し、「静観」すると表明した。
しかしながら都知事選という国政選挙に準ずる大型選挙に参加しないということは、自治体議員にとって受け入れ難いことは想像に容れ易い。
東京維新の会に所属する地方議員の一部は独自に石丸陣営の応援に加わっていたようだ。
そんな中、6月17日に開かれた東京維新の会緊急全体会議で代表の柳ケ瀬裕文代表が改めて「静観」を指示。
この「静観」というのは、「所属議員はいかなる陣営にも関わってならない」というものだという。
このような指示に対して維新所属の稗島(ひえしま)進世田谷区議らが反発、6月19日に任意の候補者を支援することを許容するよう求める要望書を提出したが、翌20日には音喜多俊幹事長より拒否する旨の回答があった。
選挙戦も始まり、これで落ち着いたかと思われた矢先、同28日にひえしま世田谷区議が記者会見および自身のXアカウントで離党届を提出したことを表明した。
同氏が公開した会見要旨によれば、候補者の政策や街頭演説を吟味し石丸伸二候補を支援することを決意したが、党の方針に反することからけじめをつけるための離党であるという。
一地方議員とはいえ、先の区議選で堂々のトップ当選を果たした2期目の生え抜きの離党は衝撃的である。
19日の要望書には他の自治体議員も名を連ねていたという情報もある。
維新三度目の分裂のプロローグとなるかもしれない。
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