西日本新聞朝刊で 3月末から連載が始まった 「組坂繁之さん(部落解放同盟 中央執行委員長)の聞き語りシリーズ」が秀逸で、毎朝一番に目を通している。
ご自身の家族や小中学校の思い出の「少年編」、高校時代や東京で過ごしたの古き良き時代の武勇伝の「青年編」、そして近頃は福岡に帰り 部落解放運動に関わるようになった「立志編」に話が移ったところだ。
家族や恩師、友人らの愛情に支えられ成長してきたことが赤裸々に語られている。
時に普段の見えない「差別」に遭遇し戸惑う場面には切なくなるが、端々にジョークを交えることを忘れず、読者を暗鬱にさせることはない。
聞き手を前に、トレードマークの髭面で豪快に笑っておられる姿が目に浮かぶ。
だが、立志編以降は これまでの様な訳にはいかないだろう。
差別との直接的な戦い、動かない政治、マスコミからの批判など、様々な壁にぶち当ってきたことは想像に難くない。
何といっても 20年以上 部落解放同盟の先頭に立って戦ってきた人物、今後の展開に期待したい。
実際にお会いしても いつも笑顔、それでいて 繊細な面もお持ちで、話は毎分1回程度のダジャレ付だが 幅広い分野に造詣が深く学ぶことばかりだ。
同和問題をはじめ 人権問題というと身構えてしまいがちだが、組坂さんの生き様は 人権を語る上での教科書そのもの、連載終了後、多くの人の目に触れるよう 本にして出版されることを望んでいる。