武内北九州市長、なぜ急ぐ?

北九州市が複合公共施設建設を進めている旧門司駅遺構、話し合いも道半ばであるが、武内市長はお構いなしに28日から取り壊しを開始した。

昨年、見つかった明治時代の初代門司駅の遺構は、ユネスコの諮問機関・イコモスの国内委員会が「ヘリテージ・アラート」を出し保存案を求めているほか、市民団体などが取り壊し工事の契約破棄を求めて住民監査請求をおこなっている。

埋蔵文化財調査を行った際、旧門司駅の期間車庫の基礎や石垣、港跡の一部遺構が発見され、現地保存を求める声が上がるも、武内市長は一部を現地保存、その他を取り出した上で保存することで幕引きを図ろうとしている。

武内市長はこれまでも粛々と計画を推進する中で、イコモスや市民団体との協議も行っているが、現地保存するのは期間車庫の一部のみ、その他は記録保存し別の場所に移設し展示するとしており、イコモスや市民団体は全くと言って良いほど納得していない。

とりわけ急ぐ必要性も感じないが、武内市長は「遺構の発掘調査も終わり、福岡県への届け出、文化財保護法に基づいて適法、適切に行っている」として譲らない。

市民の安心・安全を第一に粛々と進む複合公共工事の建設、今後も一波乱ありそうな気配が漂っており、順調に滑り出した武内市政に暗雲が漂い始めた。



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