スジ悪の逆線引き ~コンパクトシティの推進~ ① [2021年11月26日09:19更新]

「逆線引き」、あまり聞き慣れない言葉だが、市街化区域にある地域を市街化調整区域に編入すること、つまり、これまで開発してよかった場所から抑制する場所に変更することを意味する。
北九州市の大規模な「逆線引き」の取り組みは、ある意味 全国の自治体も注目する画期的な試みで、その覚悟は相当なものである。

しかし、現実はそう甘くはない。
机上で決めた構想は、憲法違反の可能性もあり制度設計が不十分、北橋市長がなぜ、このスジ悪の施策を進めようとしたのか、また どういった問題があるのかなど取材した。

逆線引きを決めた背景

北九州市内を車で走ると、よくもこんなところに建てたというくらい、小高い場所や崖の上に住宅が建っているのを目にする。
製鉄業等で日本の高度経済成長を支えてきた北九州市であるが、平地が少なく斜面を削って住宅開発をしてきた歴史がある。

時は過ぎ 産業構造が変わり、人口は昭和54年の106万人をピークに今年10月1日時点で93.2万人にまで減少している。
特に交通の便が悪い斜面地の住宅地については、空き家や空き地の増え方も 平地に比べ速いという。

そして昨今の豪雨災害、毎年全国各地で土砂災害が頻発している。
北九州市には、県が指定している「土砂災害警戒区域」が1300ヵ所ある。
平成30年7月の西日本豪雨では、門司区で土砂に巻き込まれ死傷者が出たほか、住宅被害は全半壊29棟を含む413棟、崖崩れ407件と甚大な被害に見舞われた。

こうした背景があって、市はこれからの人口減少等を見据え都市計画を見直し、これからはコンパクトなまちづくりの推進していく方針を決め、その中で、災害の危険性があり災害対応力が低下している斜面地住宅地については、より安全で安心な地域への居住誘導が必要とし、逆線引きを行うこととなった。

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